送 信 塔 見て歩き
長野県 ・ 中継局
S様提供の画像で紹介します。


飯田テレビ・FM中継局  2022年4月、10月撮影など

飯田中継局は、飯田市上久堅(かみひさかた)の神ノ峰(かんのみね・標高772m)に設置されています。
JR飯田線・川路駅の東 約5km辺りの場所です。
当中継局は、長野県内で一番規模の大きな中継局です。

グーグルストリートビューで見ると、山頂の神社前まで、車で乗り入れできるようです。
また神ノ峰は、中世には山城があり、巨石も所々に露出しており、その方面のマニアに方々にも有名な場所らしいです。
 



南側から撮影した遠景です。 左から、全社共用デジタル、SBC FM、NHK−FM、少し離れてFM長野(TSB FPU基地局) です。

 


こちらは、2022年10月撮影の全景です。
 


ここで、かつてのアナログ中継局の説明です。なお当中継局ではアナログ終了後、FM送信アンテナがNHK、FM長野とも
他の鉄塔へ移動していますので、FMも含めて説明します。
(NHK鉄塔のアンテナは、アナログ時代と現在<2022年>では、テレビとFMが逆になりました。)

開局は、NHK−Gが1960年4月、Eが1962年11月です。民放では、SBCがNHK−Gと同時の1960年4月、
NBSが1969年4月、TSBが1980年10月、ABNが1991年4月です。
NHK−EとNBS、TSB、ABNの民放3社は、美ヶ原と同時開局です。(長野県の準基幹局ですね。)

中継局は、ABNがNBSに同居する以外は、各社単独設置です。

送信アンテナは、VHF送信のNHK2波とSBCは、個別の3素子八木3段3面(NHK−Gが上段)、UHF送信の
NBS・TSB・ABNは6L2段3面(NBS・ABNは共用)です。

受信はNHK−Gは約350m離れた地点で8素子八木2列、Eは送信点で8素子八木1基、SBCも送信点で8素子八木2列、
NBSはTSB中継局付近で3mグリッドパラボラ、TSBは送信点で3mグリッドパラボラ、ABNもTSB中継局付近
(NBSと同じ鉄塔)で3mグリッドパラボラにて、全社 美ヶ原受けです。

一方、FMの開局は、NHK−FMが1965年4月、FM長野が1988年10月です。(FM長野の開局も基幹局と同時です。)

送信アンテナは、NHK−FMはテレビとは別鉄塔に設置です。形式はスーパーゲイン3段2面+スーパーゲイン2段1面の構成です。
(八木アンテナ6段とスーパーゲイン3段を1基の鉄塔に設置は無理のようです。)

また、FM長野は、NBS鉄塔に同居で、こちらも形式はスーパーゲイン3段2面+スーパーゲイン2段1面の構成です。

受信は、どちらも送信点で、それぞれ5素子八木2列にて美ヶ原受けです。

ところでNHK−FMでは、1988年8月3日に周波数を81.3MHzから今の77.4MHzへ変更しています。
これは、同年10月開局のJ−WAVEと同一周波数のため、混信を避けるための措置です。(J−WAVEの試験電波は
8月1日から 出ていたようで、2日間は混信していた模様です。)
他社開局のため、周波数を明けるなんて他に例があるのでしょうか。また、NHK−FMの周波数が80.0MHzより
低い局も珍しいです。当時は、ここだけと思われます。

2006年10月に全社同時にデジタル化されました。NHK中継局を利用して全社共用中継局として開局しました。
(デジタルアンテナは、FM鉄塔の先端に取り付けられました。)

アナログ終了後、NHK−FMは空いたアナログ鉄塔へ移動し、FM長野はNBS中継局が解体撤去のため、
アナログ終了後もFPU基地局が存続のTSB鉄塔へ移動しました。(アンテナ形式も、両社ともスーパーゲインから
八木アンテナに変更されました。)

また、その後、2018年6月には、SBCが自社のアナログ鉄塔でFM補完中継局を開局させています。

デジタル中継局が1か所に集約の中継局としては、NBS(ABNが同居)が撤去された以外は、アナログ中継局が
原形を留めていると云う、あまりないパターンです。
 


それでは、現在の様子を中継局別に紹介します。

 
全社共用デジタル ・ NHK−FM(固定局併設)
 
FM長野 ・ TSB FPU基地局
 
SBC FM(固定局併設)
 
参考 ・ 旧NBS鉄塔(2012年7月撮影) 2022年10月撮影の跡地を追加

SBCを除き、2022年10月撮影の画像を追加しました。
 


山頂付近は公園になっており、かつての山城を紹介する案内板があります。それにアナログ時代の中継局の
配置まで載っており、びっくりです。

それを見ると、NHK中継局は本丸跡にあります。また、SBCのシールが剥がれたらしく表示がありませんが
(他サイトの案内板には、剥がれる前なのか表示があります。)出丸跡の場所の建物とのことです。

なお、中継局表示は城跡の案内板には必要ないと思われますので、誰が付けたのか謎です。最初からあるとは思えません。


案内板です。 看板の右方向が北です。

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上記画像にカーソルをのせると中継局の位置が表示されます。

神社の裏へ回ると展望広場があり、樹木の間から西、北の風景が眺められるようです。


飯田・下伊那地域はケーブルテレビが整備されており、デジタル中継局が開局したのは、3局に留まります。

 

中継局データ

アナログ NHK総合 NHK教育 SBC NBS TSB ABN
チャンネル 4ch 3ch 6ch 40ch 42ch 44ch
出力 250W 250W 250W 1KW 1KW 1KW

アナログテレビ放送は2011年7月24日をもって終了しました。
 

NHK−FM  77.4MHz  100W
FM長野    88.3MHz  100W
SBC FM   94.2MHz  100W


デジタル NHK総合 NHK教育 SBC NBS TSB ABN
チャンネル 46ch 48ch 36ch 49ch 35ch 33ch
リモコン
出力 各局とも 100W

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