送 信 塔 見て歩き
石川県・中継局


珠洲テレビ・FM中継局   2003年11月、2004年10月、2007年10月、11月、2017年10月、2019年1月撮影
七尾灘浦テレビ中継局(アナログのみ)(2局併設)


珠洲中継局のページは、2017年10月の取材を掲載した時点で、過去の訪問ページも大幅リニューアルしました。
(新たな情報も書き加えました。)

2019年1月に、再度訪問し、新たに開局したMRO FM補完中継局を見てきました。下方リンクよりどうぞ。


珠洲・七尾灘浦 中継局は、鳳珠郡能登町(旧 珠洲郡内浦町)明野にあります。海岸部から、少し山側に入った
標高 約100mの場所です。
周囲は、民家や畑などが点在しています。この中継局は、北側の珠洲市方向に電波を送る「珠洲中継局」と南側の
海を越えて七尾市の富山湾沿いの地域に電波を送る「七尾灘浦中継局」の2局が各放送局ごとに同じ局舎・鉄塔に
併設されています。

各社の中継局は、それぞれ100mくらいの範囲に4か所に分かれて設置されています。


最初にアナログ中継局の説明です。珠洲局からです。

開局は、NHKとMROが同時に1963年11月、ITCが1970年12月、KTKが1990年4月、HABが1991年10月です。
NHK、MRO、ITCは単独(ITCにはFM石川が同居)、KTKとHABが共用の組み合わせです。

送信アンテナは、NHKは2波個別に90CR3段1面、MROも90CRでこちらは2段1面です。(VHF波は垂直偏波です。)
ITCは6L2段1面+6L1段1面の構成です。KTKとHABは共用6L2段1面です。
各社とも なぜか微妙にアンテナ構成が異なります。(中継局の置局の違いで、各局のエリアが異なるのでしょうか?)

受信は、NHKは約900m南西方向に離れた地点で2波共用4mプレートパラボラにて羽咋中継局受け、
MROは12素子八木2列で七尾中継局受け、ITCは3mプレートパラボラにて七尾中継局受け、KTKとHABは
共用3mプレートパラボラにて七尾中継局受けです。
(NHKの受信パラボラは、ヤフーの航空画像で確認できます。民放は、全社 送信点で受信しています。)
それと、VHF局は1983年12月に増力しているようですが、以前に何Wだったかも含めて未確認です。

続いて、七尾灘浦中継局の説明です。

開局は、MROとITCが1990年2月、KTKが1990年4月、HABが1991年10月、NHKは一番遅く1996年2月です。
(NHKの開局が遅いのは、富山湾沿岸部では富山局が良好に受信できたからだと思われます。そう云えば昭和時代にはNHK富山では
石川県の政見放送も流していましたから間違いないと思います。なお、いつごろ取り止めたかは記憶にありません。この局が開局した時点?)

各局とも局舎・鉄塔は珠洲局と共用です。送信アンテナは、NHKは2波共用1.8mグリッドパラボラ、
MROとITCも1.8mグリッドパラボラ、KTKとHABは共用1.8mプレートパラボラです。
受信は珠洲局のアンテナと共用しています。

珠洲中継局は、2007年12月にデジタル化されています。
七尾灘浦中継局については、デジタル化のアナウンスはありませんが、珠洲中継局では南方向にもデジタル波を
出していますので、2局統合と云う形のようです。
2007年11月中旬時点で、デジタルは、試験放送中(内容は通常放送、ワンセグも同じ)でした。


2003年撮影の遠景です。 左からNHK、MRO、ITCです。

 


こちらも2003年撮影の遠景です。 左からKTK・HAB共用、ITCです。

 


2004年撮影の、左・NHK、右・MROです。

2007年撮影の、左・KTK HAB共用、右・ITCです。

 


2007年撮影の遠景です。 左から民放デジタル、NHK、MRO、ITCです。 合成

 


2017年撮影のNHKです。

2017年撮影の民放デジタルです。

2019年1月撮影の民放デジタルです。

なお、2019年1月の訪問では、MRO FMが開局した以外に変化がありませんでしたので、民放デジタルの部分やNHK中継局には
追加画像はありません。(旧MRO跡地隅にイノシシ用(?)の罠が仕掛けられていました。)


アナアナ変更について

当中継局では、珠洲局のKTKとHAB、七尾灘浦局のすべてのチャンネルがアナアナ変更の対象局でした。
対策期間は、珠洲局が2004年8月から11月にかけて、七尾灘浦局が2004年8月から9月にかけてでした。
画像がある2004年10月時点では、七尾灘浦局については対策完了、珠洲局では切替期間中です。


アナアナ変更終了後のHAB旧チャンネル(20ch)の画像です。2004年12月に珠洲市内で受信


アナログテレビ放送の先行終了について

石川県珠洲市は、テレビ放送のデジタル化で、アナログテレビ放送の終了とデジタル放送への移行の影響を確認するための
リハーサル実施地域に名乗りを挙げ、全国より1年早くアナログ放送が終了しました。

具体的には、まず、アナログ終了2年前の2009年7月24日に、石川全6局が午前10時から1時間、アナログ放送を休止
(全局ブルーバック画面)しました。

2009年7月24日のNHK金沢のニュース画面から。

 

翌2010年1月22日正午から、今度は全局が48時間、放送を休止(民放は完全停波 ・ NHKはブルーバック画面)しました。

そして同年7月24日正午をもって、当中継局は珠洲市内の7中継局とともに全国に先駆けて1年早くアナログ放送が終了しました。

 

以下は、2010年7月24日のNHK金沢のニュース画面から。

 

正午になった瞬間、右側の小さなアナログテレビは、砂嵐になりました。(なお、どこかの局を弱く受信しているようで、ノイズ交じりに
画像が映っているのが、拡大されたときに見えました。)

それと、NHKの珠洲若山中継局は、珠洲市内にある中継局ですが、輪島町野中継局の親局であるため、先行終了をしていません。
(MRO・ITCの珠洲若山中継局は先行終了しました。←KTK・HABは未設置。)

また、珠洲中継局を除き、先行終了した各中継局は、デジタル化されず、そのまま廃局となっています。
能登半島地域では、これ以外にも多数の局がデジタル化されずに廃局となりました。


当中継局は、規模が大きく、訪問の都度 変化がありますので中継局ごとに分けて紹介します。

2003〜4年 NHKアナログ MROアナログ ITCアナログ ・ FM石川 KTK ・ HAB アナログ
 
2007年 NHK アナ・デジ MROアナログ
ITCアナログ ・ FM石川
KTK ・ HAB アナログ 民放デジタル
 
2017年、2019年 NHKデジタル 民放デジタル ・ FM石川
MRO FM
民放 アナログ跡地

          NHKには、FM放送も含まれています。

          2019年の画像はMRO FMのみです。他は変化が無いため省略


中継局データ

珠洲中継局

アナログ NHK総合 NHK教育 MRO ITC KTK HAB
チャンネル 4ch 8ch 6ch 47ch 41ch 43ch
出力 25W 25W 25W 200W 200W 200W

当中継局では、KTKとHABがアナアナ変更の対象でした。
変更前のチャンネルはKTKが22ch、HABが20chでした。

NHK−FM   83.2MHz  100W
FM石川     81.9MHz  100W
MRO FM    76.7MHz  100W


七尾灘浦中継局

アナログ NHK総合 NHK教育 MRO ITC KTK HAB
チャンネル 49ch 51ch 45ch 47ch 41ch 43ch
出力 各局とも 30W

当中継局では、全チャンネルがアナアナ変更の対象でした。
変更前のチャンネルはNHK−Gが18ch、NHK−Eが16ch、MROが26ch、ITCが24ch、KTKが22ch、HABが20chでした。

アナログテレビ放送は2011年7月24日をもって終了しました。


珠洲中継局

デジタル NHK総合 NHK教育 MRO ITC KTK HAB
チャンネル 33ch 31ch 14ch 16ch 37ch 25ch
リモコン
出力 各局とも 30W

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