送 信 塔 見て歩き
奈良県 ・ 中継局


栃原テレビ・FM中継局 (紀ノ川橋本テレビ中継局 併設)  2013年5月撮影

栃原中継局は、奈良県五條市(旧西吉野村)と吉野郡下市町とに跨る栃原岳山頂部(山頂は下市町側)にあります。
奈良県中西部(和歌山県の一部も含む)の広い範囲をサービスエリアとする中継局です。
2007年3月にデジタル化されました。
アナログ時代には下位中継局の親局としても機能していました。しかし、奈良県では多くの局がデジタル化されずに
廃局になっていますし、親局を変えた中継局もあり、当中継局を親局にしている局は少なくなりました。

山頂へは、鳥居のところから1.5車線のコンクリート舗装の道路があり、車で登ることもできます。(当方は、鳥居下の
広くなっているところに車を止め徒歩で登りました。山頂までは20分ほどの道のりです。)山頂部は、一番高いところに
神社があります。北西側の一段低いところが少し平坦になっており、そこにNTTを含め各中継局があります。
中継局では大部分のアナログ設備は撤去済みでした。(NTT鉄塔にもアンテナはありませんでした。)


山頂下の道路から見上げての撮影です。
 

NHK教育旧アナログ受信点付近から撮影。
左からTVN、NHK、NTT、大阪民放です。
中継局の全景を2枚。大きな樹木があったり、訪問時間が早朝で逆光になり、よい写真ではありませんが、あしからず。
(以下に掲載画像も同様です。)

それでは、各中継局を紹介します。


NHK テレビ・FM中継局

NHK中継局は、山頂神社の北側すぐ下、NTT無線局の隣にあります。アナログ時代にはTVNも同居し、FMも送信して
いるため、大きな局舎になっています。
デジタル化されてからはTVNが独立しましたが、NHK和歌山放送局の「紀ノ川橋本中継局」が新たに設置されたため、
送信局数に変化がないというのが現状です。
 

よい角度なのですが、NTTに重なり台無しです。

少し左へ移動して撮影しました。

NTT(南)側から見た全景です。

 

鉄塔の様子です。

 

アナログ時代にはNHKとTVN共用中継局でした。送信アンテナは、共用の4L2段2面でした。アナ・デジサイマル時代は、
アナログアンテナの邪魔にならないてっぺん北側に、もう一本支柱を立て一段高い位置(今と同じ高さ)からデジタル波を
送信していました。
アナログ終了後にアナログアンテナを取り外し、その場所へデジタルアンテナを移動させたようです。FPUらしいパラボラも
あります。(リパック中の状況は確認できていません。)

受信は、総合テレビは北側ふもとにある4mグリッドパラボラで松尾山受け。
教育テレビは中継局から約180m北側にある8素子八木2列で生駒山受け。(これらの受信アンテナは、現時点で残って
います。下方で紹介します。)
アナログではNHKに併設のTVNの受信は送信鉄塔の1.8mグリッドパラボラで松尾山受けでした。(撤去済み)

 

突き出ている別の送信アンテナです。紀ノ川橋本中継局のものと思われます。チルトが掛かっています。
また、パラボラは、和歌山放送局からのTTL受けと思われます。

 

FMアンテナは2L1段3面です。以前は、素子の形が「ひし形」だったようですが、現在は「正方形」になっています。

 


GPSです。左の細長いものも、そうなのでしょうか。

 


局舎です。

TVNのロゴが残っています。

 


表札です。

看板です。アナログ時代のままのようです。

続いて受信アンテナです。まずは鉄塔にあるものからです。


松尾山受けTTLと思われます。(下)上はFPU送りか?。

アナログ時代には、TVNの放送波受け1.8mグリッド
パラボラがFMアンテナのすぐ下(この画像の一番上
あたり)にありました。


FM受信アンテナは鉄塔にあります。松尾山受けの5素子八木です。

 


180mほど離れた北側斜面にあるアナログ教育テレビの生駒山受信アンテナです。

 

こちらは前記の、北側のふもと道路沿いにある大きなグリッドパラボラです。アナログ総合テレビの松尾山受けの4mものです。
道路からもよく見えます。

 


別角度から。前方の丘に向いています。
NHK総合の受信アンテナが山のふもとにあるのは、どこかの局との混信を避けるための措置と思われますが、
調べても該当の局は分かりませんでした。(予想もしない局なのかもしれません。)

 


機器と表示です。

大阪広域民放4社中継局

大阪民放各社の共用中継局は、神社の入り口付近、NTT中継局の向かい側にあります。山頂部の西側です。
大きな2段のパラボラが目立ちます。
 

全景です。 左画像は2枚合成です。

 

送信アンテナです。アナログ時代は全社共用の4L2段2面でした。現在はアナ・デジ共用を継続利用でしょうか?。
それとも、リパック後の新アンテナ?。

 

局舎を別角度から2枚。なお、表札・ロゴ・看板の類はありません。

 


生駒山受信のダイバシティパラボラと思われます。
銘板を確認できませんでしたが
TTL受けのようです。

低い位置のパラボラは、紀ノ川中継局向けの
TTL送信アンテナと思われます。
 

GPSです。

アナログ時代の受信アンテナは鉄塔に個別の8素子八木2列が4セットあり、生駒山を受けていました。なお、受信点は
1998年12月にNHK教育近くにあったものを送信鉄塔へ移動させているようです。(アナログ設備撤去時点までは、
元の場所に支柱だけ残っていたようです。)

生駒山からはTTL伝送された大阪民放の番組は、さらに和歌山県の紀ノ川中継局→和歌山中継局へと伝送されています。
和歌山中継局から先は、さらに御坊・田辺方面へルートが延びています。

 


かつての民放受信八木群があった場所と想像します。
NHK教育テレビ受信アンテナの後ろに妙な空き地がありました。


TVN中継局

TVN中継局は山頂部の北側、ちょうど道路を登り切った地点にあります。デジタル単独の新設中継局です。
 

全景です。

送受信アンテナです。

 

アンテナを別角度から3枚。グリッドパラボラは、基幹局(生駒)放送波受けと思われますが、4つの八木アンテナが
何なのかは未確認です。

 

局舎を別角度から。

 


表札です。

GPSです。

 


ところで、山頂展望台から西方向山麓を見ると3段のパラボラがあります。何でしょうか。詳しくは、こちらから

 



西方向の風景です。

 


上記画像の右寄りを拡大しました。橋本方向と思われます。


山頂の「波比賣(はひめ)神社」です。案内板もありました。

 

神社へ行く途中に見晴らし台があります。「地上デジタル記念」となっていますので、最近できたもののようです。
神社関係者らしい名前があります。

 



ここから出発しました。

付近にハイキングの案内板もあります。

 


全線舗装されていますので、車でも問題ありません。
(ただし、人と対向車に注意)

正面に中継局が見えます。山頂です。
 

 


上記画像のカーブを曲がるとTVN中継局がお出迎え。

 

中継局データ

アナログ NHK総合 NHK教育 MBS ABC KTV YTV TVN
チャンネル 43ch 45ch 33ch 35ch 37ch 39ch 41ch
出力

各局とも

100W

アナログテレビ放送は2011年7月24日をもって終了しました。

NHK−FM  83.7MHz  30W


デジタル NHK総合 NHK教育 MBS ABC KTV YTV TVN
チャンネル 52ch 50ch 39ch 37ch 41ch 35ch 21ch
リモコン 10
出力

各局とも

10W

当中継局では、開局当初のチャンネルが生駒山または摩耶山と同一で、各所で混信が発生したため、
2011年秋から2012年初めにかけてチャンネルリパックが行われました。
上記チャンネルは、リパック後のものです。


紀ノ川橋本中継局

NHK和歌山総合  43ch  0.5W


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