送 信 塔　見て歩き
滋賀県 ・ 中継局

大津比叡平テレビ中継局　　２００４年３月、２０１４年９月撮影

大津比叡平中継局は、大津市街地から西側の比叡山中腹に造られた比叡平という住宅団地内の小学校屋上にアンテナが設置されています。
比叡平は、くねくねとした急な坂道を上った場所にある平地で周りを山に囲まれている、かなり特殊な場所という印象です。

開局は、全社同時に１９８１年１０月です。全社共用のミニサテ局です。
送信アンテナは、全社共用３素子リングアンテナ２段１面（垂直偏波）、受信は、校舎屋上の少し離れた位置で
全社共用１６素子リングアンテナ２列にて彦根中継局受けです。

まずは、２００４年撮影の画像です。

送信アンテナは、屋上左隅です。

拡大しました。 全社共用３素子リングアンテナ２段１面です。（垂直）

受信アンテナも屋上にあります。（約８０ｍ離れています。）

この辺りは起伏があり、大津基幹局（宇佐山）の電波が直接受信できない地域のためミニサテ局が置かれています。
なお、比叡山は見通しですので、ＮＨＫ京都とＫＢＳ京都の放送は良好に受信できます。

宇佐山を見通せないため、彦根中継局を親局にしています。

ここからは、２０１４年９月撮影です。

大津比叡平中継局は、アナログ時代にはＢＢＣも開局していましたが、デジタルでは開局せず、ＮＨＫと大阪民放４社だけが
２０１０年３月にデジタル化されました。
ＢＢＣは最初から京都基幹局もある比叡山の一本杉に中継局を設置するつもりだったようで、２００９年１０月に開局させています。
（詳しくは、大津山中中継局のページをご覧ください。）

その後、大阪民放４社も２０１０年７月に比叡山に京都中継局を設置し、この比叡平もサービスエリアに含まれていたため、
わずか１年で廃局になりました。（民放は２０１１年３月廃局）

現在は、ＮＨＫのみの中継局になっています。

正門前からの撮影です。

アナログアンテナは、撤去済みでした。

ところで受信アンテナは、アナログとデジタルとでは方向が違うようです。

アナログ（２００４年撮影の再掲載）

デジタル

ほぼ同じ角度から撮影したものを並べてみました。見た感じでは ３０゜ほど向きが違うと思われます。
アナログは彦根局受けですので、３０゜南寄りですと、対向は甲賀局でしょうか。ただ、出力が３Ｗと弱いのが気になります。

その後の調査で、ＮＨＫ−Ｇの親局は宇佐山と分かりました。見通し外と思われますが、回り込みの電波を受けているようです。
　↑ ただ、宇佐山も彦根も甲賀も、どれも２６ｃｈですので、実際にはどの局の電波か分からないような気もしますが・・・。

また、ＮＨＫ−Ｅは、生駒山を受けています。←廃局の大阪民放もそうでした。

受信アンテナは、付近の地表（？）に、もう１本あるようです。

ところで、地元自治会（有志？）のブログに民放中継局廃止に関する記事があり、それによりますと、『地元自治会では、
ミニサテ中継局（民放部分）の設備維持のために年間１７万円を負担し、さらに２０年後とみられる更新時のための積立にも
年間５０万円を当てているが、突然決まった京都中継局設置で比叡平中継局を維持する必要が無くなったため、大阪民放４社とも
話し合い廃局を決定した』との趣旨が書かれています。
（初期設置は民放負担で行い、建設には２０００万円以上かかったようです。）

当方も知らなかったのですが、民放を見るために住民が多額の負担をしていたのですね。ミニサテ局では、同様なことが全国に
あるのでしょうか？？。
なお、ＮＨＫについてはＮＨＫの負担で中継局が設置・維持されています。

比叡山頂から見た比叡平の住宅団地です。中継局のある小学校は下記画像を参照してください。
右下隅は京都基幹局のテレビ塔です。

大津基幹局（宇佐山）と比叡平中継局の位置関係です。

比叡平小学校前から見た、京都基幹局と大津山中中継局です。
背後は比叡山頂です。

中継局データ

アナログテレビ放送は２０１１年７月２４日をもって終了しました。

民放中継局は２０１１年３月２８日に廃局になりました。

地上デジタル放送の中継局が廃止になったのは初めてのことです。経緯は上記の通りです。

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