送 信 塔 見て歩き
静岡県 ・ 固定局
kz様、K様 提供
粟ヶ岳固定局 2013年12月、2015年12月撮影
NHK大代固定局
2009年3月(K様提供)、2013年12月、2014年10月撮影 (2009年3月以外は、kz様提供)
粟ヶ岳固定局は静岡県掛川市と島田市に跨る、粟ヶ岳(標高 532m ・ 直下を新東名高速道路がトンネルで通っています。)の山頂部にあります。
山頂部には、テレビ・ラジオ各社の静岡と浜松・島田などを結ぶ中継パラボラやFPU基地局のほか、行政や通信会社の中継局もあります。
山頂までは車で行くことができ、神社や展望台を兼ねた食事処があるとのことです。航空写真で見ますと、固定局は展望台の西側、神社との間に
あるのが確認できます。
また、掛川市のホームページを見ますと、『晴れた日の山頂からの眺めは最高です。眼下には広大な茶園、大井川や南アルプスや富士山などが
見渡せます。また、桜の名所として有名で、ソメイヨシノ、里桜、山桜など約5千本が咲き誇ります。山頂にある阿波々神社では、毎年桜祭りが
開催されています。』との案内があります。
2013年12月撮影の遠景です。 樹木で「茶」と形作られています。
拡大しました。 左から、SATV・SDT共用、SBS・K−MIX共用、NHK、業務鉄塔2基、SUT、少し離れてNTTドコモ(モバキャス)です。
放送各社の固定局は、お互いが干渉しないように、ほぼ南北に一直線に並んでいます。
2015年12月撮影の食事処前から見た全景です。 画像を加工しており、少し不自然です。ご了承願います。
神社敷地(浜松側)から見た全景です。 2015年12月撮影 この画像も加工しています。
それでは、各社ごとに紹介します。
NHK
粟ヶ岳山頂部にあるNHK施設は、FPU基地局のみです。
静岡と浜松などの中継局を結ぶ固定局は、北側の離れた場所(大代山)にある「大代固定局」が担っています。
FPU基地局の後、紹介します。
当FPU基地局は、ごく最近 新しく建て替えられたと思われます。 まずは、新旧設備を並べて紹介します。
2013年12月撮影 |
2015年12月撮影 |
同じ場所で建て替えられたようです。
基本的な形状は変わっていませんが、立派な設備に生まれ変わっています。
それでは、2013年12月撮影の旧設備です。
一番上はFPUです。(静岡側から撮影) こちら向きのプレートパラボラは、日本平向きと思われます。 |
別角度(浜松側)から見たFPUです。 |
局舎です。 扉に表札らしきものがあります。 |
小さなパラボラは、静岡と浜松を結ぶ自営回線と思われます。 (未確認です。)
続いて2015年12月撮影の新局舎・鉄塔です。
静岡側から撮影。 |
浜松側から撮影。 |
新鉄塔は、四角鉄塔になっています。角度を変えて2枚。
ドームが2つあります。 |
浜松向きの小さなパラボラがあります。 |
銘板です。 やはり出来て、まだ3か月の新品です。 |
局舎です。 |
扉に表札があります。 |
続いて大代固定局を紹介します。
この遠景は、2013年12月撮影です。 NHK固定局は右側の鉄塔です。
2014年10月撮影 |
2009年3月撮影 アナデジ サイマルの時期です。 |
全景です。 アナデジサイマル時代から、パラボラが減っています。撤去されたのがアナログ用と思われます。
西寄り(浜松側)から撮影 |
東寄り(静岡側)から撮影 |
この2枚は2009年3月撮影です。
西寄りからの拡大。 2014年11月撮影 |
西寄りからの拡大。 2009年3月撮影 |
東寄りからの拡大。 2014年10月撮影 |
東寄りからの拡大。 2009年3月撮影 |
拡大画像を見比べると、静岡側上段と島田向きの中段のパラボラはアナログ用だったと思われます。
浜松側はアナログ時代には3基あったものが2基に減っています。また、島田向き最上段のパラボラが小さくなっています。
鉄塔下部と局舎です。 2014年10月撮影 |
局舎です。 2009年3月撮影 |
NHK−FMの基幹局(日本平)放送波受け八木アンテナです。 マイクロ波に変換して、浜松と島田へ伝送しています。 中波ラジオは、NTT光回線での伝送につき、ここを経由していません。 この2枚は2014年11月撮影。 |
別角度から見た八木アンテナです。 島田受けのモニター八木(3素子)もあるようです。 |
ところでNHKでは、なぜ2か所に施設が分かれているのか不明ですが、当固定局が1999年4月に運用を開始していることを考えると、
旧島田中継局が静岡空港建設のために移転を余儀なくされ、併設されていた浜松向けのマイクロ固定局も移転する必要があったことと、
旧島田中継局では、番組は日本平受けの放送波中継でよかったものが、新中継局の牧之原では日本平を見通せず、番組を別ルートで
送るための中継ポイントが必要だったことが考えられます。(FM放送も同様)
しかしながら、粟ヶ岳には場所が無かった or
鉄塔強度が足りなかったために、パラボラアンテナを設置できず、大代山に固定局が
設置された可能性が高いです。
と云うことは、浜松放送局の時代(アナウンサーが常駐していた頃)も、総合テレビの番組は、すべて静岡放送局から旧島田中継局
経由の放送波受けマイクロ回線で送られていたことになります。(カシミール3Dで調べたところ物見塚からは、日本平も浜松の牛山も
見通せました。物見塚って、実に計算された場所なんですね。驚きました。)
なお、ずっと以前は、両放送局でローカル(ニュース)番組を制作していた可能性があります。 ←現在の北海道の地方局のような方式(?)
また、教育テレビは2003年1月までは、大代山を経由せず別ルートだったようです。(東京からのNTT回線直受けらしいです。
でも これだと、高校野球などのローカル放送ができませんが・・・。 素材回線利用?、まさかNTTで切り替え?)
それと、大代固定局のほうが粟ヶ岳固定局よりも標高が20〜30m高く、その点でも大代山は都合のよい場所のようです。
興味深い回線ルートですね。
ここまでの記述は、当方の推測で、確認できる資料は持ち合わせておりません。また、一部の情報を静岡県のK様よりいただきました。
ありがとうございました。
こちらは、当方が2005年5月に静岡県内で撮影したID画像です。
アナログ時代には、浜松局にもコールサインがあり、1画面に2コールと云う珍しい形式でした。
SBS・K−MIX共用
SBSでは、中波ラジオの浜松と掛川向けの中継設備もあります。
K−MIXの本社・演奏所は、他社とは異なり浜松市にあるため、伝送の向きは浜松からの電波を受けて静岡(日本平)向けに送信しています。
全景です。 |
鉄塔部の拡大です。 |
静岡側から撮影。 2段のパラボラのうち、上はSBSのFPU送り、 下は、2社共用のSTL(送受信方向は反対)と 思われます。 |
浜松側から撮影。 先端のパラボラはFPU、 その下の3mパラボラは2社共用のSTL (送受信方向は反対)と思われます。 |
北側からの撮影です。 |
静岡向きのパラボラの拡大です。 |
小さなパラボラがあります。何なのかは未確認です。 |
FPUと浜松向きのパラボラの拡大です。 |
八木アンテナは、中波ラジオのSTLと思われます。(未確認です。)
局舎です。 |
別局舎もあります。 |
銘板です。1974年3月製作です。
SUT
SUTは、単独の設備です。
全景です。
鉄塔上部の拡大です。 |
FPUです。 |
左・浜松向き、右・静岡向き、正面・島田向きです。 |
局舎です。 |
FPUの本社送りとSTLは共用パラボラのようです。
SATV・SDT共用
鉄塔の銘板で、この施設はSATV(旧社名・静岡県民テレビ)のものと分かります。しかし、SDTを示すものがなく2社共用なのか はっきりしません。
資料では設置場所が同一ですので共用と判断します。(また、FPUパラボラが2基あります。)
FPUが2基あります。 |
何か機器があります。 |
銘板です。 1978年1月納入です。 |
局舎です。
NTTドコモ中継局(モバキャス島田中継局併設)
NTTドコモの鉄塔には、モバキャス島田中継局のアンテナも設置されています。
鉄塔の全景です。 |
表札です。 モバキャス送信アンテナは、NTTドコモの鉄塔上部にあります。 |
鉄塔上部です。 |
送信アンテナの拡大です。 |
少し別角度から。 |
左が受信パラボラです。 |
モニターアンテナもあります。 |
既に発表の通り、モバキャス中継局は、本年(2016年)6月末で廃局になります。
このほか、粟ヶ岳には、海上保安庁粟ケ岳中継所(左画像)などの中継パラボラがあります。
粟ヶ岳から見た風景画像です。 南方向と思われます。遠くに見えるのは水平線でしょうか。 2015年12月撮影
島田中継局も見えます。 2015年12月撮影
上記画像を見て思い出しました。
以下は、当方が2005年5月に撮影した島田中継局付近から見た粟ヶ岳の画像です。
NHK中継局前から見た粟ヶ岳です。 撮影位置は、上記画像の右側の赤白鉄塔前の道路上です。(道路のカーブが同じです。)
撮影当時は、遠くに見える山に沢山のパラボラ鉄塔があるとは思っていましたが、放送関係の固定局とは気づかず放置しておりました。
SUT鉄塔の向こうに粟ヶ岳が見えます。 |
NHK中継局付近からの拡大です。 |
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