送 信 塔 見て歩き
静岡県 ・ 中継局


島田テレビ・FM中継局  2005年5月撮影、(2015年12月撮影 ・ kz様提供)

 

島田中継局は、"お茶どころ"として有名な「牧之原台地」(標高 約200m)に、各社の中継局が、道路沿いや茶畑に点在しています。


見渡す限り  どちらを向いても茶畑です。 SBS中継局横から撮影。

 


通りから撮影。 SBS中継局です。

SBS中継局横から撮影。 左・SUT中継局、右・SATV&SDT共用中継局

 

ところで、牧之原で最初に開局したのは、SUTの1969年8月です。その後、SATVが1978年9月、SDTが1979年7月と続きます。
NHK・SBS・K−MIXの3社が開局したのは、ずっと後の1999年4月です。

では、NHKなどは島田地区に中継局を設置していなかったのでしょうか。

いえいえ、そんなことはありません。これら3社は、それまでは東南東方向に約5km離れた「物見塚」に中継局を設置し、テレビは
VHFチャンネルで送信していました。
それが、静岡空港建設予定地に掛ったため、UHF民放の中継局がある「牧之原」へ移転し、チャンネルもUHFへ転換されました。
(NHKテレビ中継局に同居していたFM中継局も同時に移転し、増力されました。)

物見塚での開局時期は、NHKテレビとSBSは1962年、NHK−FMは1966年、K−MIXは1983年です。老舗局が物見塚で
開局したのは、親局の日本平が見通せたことと、NHKでは浜松放送局(送信所併設)がある牛山も見通せたからだと思われます。
また、SUTが牧之原に置局したのは金谷方向に電波を飛ばせるからだと推測します。)

日本平が見通せないUHF島田中継局への伝送は、NHKはテレビ・FMとも大代固定局受け、K−MIXは粟ヶ岳固定局受け、
UHF民放テレビ3社は浜松中継局受けです。SBSは静岡方向にある固定局受けのようですが、対向先が未確認です。

また、当中継局では、NHK2波とSBSがアナアナ変更の対象となり、2005年2月までにチャンネル変更が行われました。
さらにSATVでは、県外のデジタル化の影響を受けて、親局の変更を余儀なくされたようです。

当方が訪問した直前の時期にはデジタル化に向けて、かなりバタバタしていたようです。

 


SBS中継局です。

正面に民放鉄塔が2本重なっています。 右隅の鉄塔はNHK中継局です。 携帯電話のアンテナも見えます。

通りから撮影です。 この2枚は、ほぼ連続しています。

 


こちらは、NHK中継局付近からの撮影です。  左・SATV&SDT 中・SUT 奥・SBSです。

 


この辺りは、ハイキングコースにもなっているようです。 この案内板はSBS中継局前にありました。

 

それでは、中継局別に紹介します。


NHK&K−MIX(FM静岡) 中継局

初めにも書きましたが、NHK島田中継局は、以前は「物見塚」という所にあり、VHFで送信していました。
しかしながら、中継局の場所が静岡空港の建設予定地に含まれたため、牧之原へ引っ越してきました。
そして、この地には以前からSUTなどのUHF中継局があったため、チャンネルもUHFに転換されたとのことです。
ところで、訪問の3か月前までは、アナアナ変更のためのサイマル放送期間でしたが、それらしい痕跡は残っていないようでした。

全景を角度を変えて2枚。

 

先端がテレビアンテナ、下段がFMアンテナです。 角度を変えて2枚。

 


テレビアンテナの拡大です。

FMアンテナの拡大です。

 


鉄塔を見上げてみました。

パラボラ部の拡大です。3基あります。

日本平受けらしい八木アンテナがあります。

パラボラはNHKとK−MIXとでは、対向先が異なるので方向が微妙に違います。 また、NHKはテレビとFMで分かれているようです。

 


局舎を角度を変えて2枚。

 


局舎と鉄塔を結ぶラックです。

壁面のロゴです。

 


SBS静岡放送 中継局

SBS中継局も、NHKと同様に物見塚から引っ越してきました。車道に面しない茶畑の真ん中にあります。移転時にNHKや先発の
SUTと共用しなかったのは、何かこだわりがあったのかもしれません。

訪問時は、新茶の季節でした。すぐ近くでは家族総出で茶摘をされていました。(連休中にもかかわらず、ご苦労様です。)
こちらも、訪問の3か月前までは、アナアナ変更のためのサイマル放送期間でしたが、それらしい痕跡は残っていないようでした。

全景です。 角度を変えて3枚。

 


鉄塔を見上げてみました。

局舎です。壁面にロゴもあります。

 

送信アンテナを角度を変えて3枚。

 


親局受けのパラボラです。資料では、対向先が静岡となっていますが、どこに固定局があるのかは未確認です。
(カシミール3Dで調べたところ、日本平も本社も見通し外でした。本社との見通しで障害となる「高草山」辺りが怪しそうです。)

その後の調査で、やはり「高草山」に固定局があるようです。

牧之原へ移転後、粟ヶ岳経由の回線を設定しなかったのは謎です。


SUTテレビ静岡 中継局

SUT中継局は、狭い車道のカーブしているところにあります。どこかへ行く近道らしく、道幅に比べて車の通行量が多く、
落ち着いて写真が撮れませんでした。
また、当中継局は先発のNHKとSBSとは別の場所の、ここ牧之原に置局したため開局当初「牧の原中継局」と
名乗っていた時期があるようです。(「の」は、ひらがなです。) なお中継局名の件は、最終確認が取れていません。

全景です。 微妙に角度を変えて2枚。

 


鉄塔です。

局舎です。

 


送信アンテナです。

受信パラボラは浜松中継局受けです。

 


SATV静岡朝日テレビ & SDT静岡第一テレビ 中継局

開局時期が近いこの2局は、中継局を共用していることが多いようです。 SUT中継局の向かい側にあります。


全景です。

 


送受信アンテナです。

別角度から。

送信アンテナの拡大です。

 

受信パラボラを角度を変えて3枚。

当中継局のSATVは開局以来、親局は浜松中継局でしたが、同一線上にある三重県のNHKデジタル基幹局(長谷山)が
28chで開局したため、混信の恐れから親局が変更されたようです。資料には無い南向きの大きなグリッドパラボラがあります。
向きから見て、小笠中継局受けと思われます。なぜ粟ヶ岳固定局からのマイクロ受けにしなかったのかは、費用の問題でしょうか。

下段のグリッドパラボラは、SDTの浜松受け(以前はSATVと共用)と思われます。
また資料には無い浜松向きの90CRがあります。モニター用or予備アンテナでしょうか。

 

局舎です。角度を変えて2枚。

 


「民放各社のFPU+静岡・浜松間のマイクロ固定局」 と 「NHKのFPU」 がある粟ヶ岳の遠景です。 右画像は、同じ位置からの拡大です。
NHK中継局前から撮影。

 


NHKのマイクロ固定局がある大代山です。 SBS中継局付近から撮影。


こちらは、kz様より提供を受けた画像です。


各社の固定局がある粟ヶ岳から見た島田中継局の遠景画像です。2015年12月撮影

島田中継局は2006年6月にデジタル化されました。(NHKとSBSは、それぞれのアナログ中継局をデジタル化し、
SUT・SATV・SDTは、アナログSUT中継局をデジタル化し、3社で共用しました。)

デジタルでの伝送ルートは、NHKは大代固定局をデジタル化しました。また、民放各社は、それぞれの粟ヶ岳固定局をデジタル化し、
島田中継局向けに分岐させました。

SATV・SDT共用アナログ中継局は、アナログ終了後しばらくの間は、アンテナが取り外された鉄塔と局舎が残されて
いたようですが、画像を見る限りでは撤去されているようです。



こちらは、菊川中継局がある展望台から見た北方向の風景です。 画像やや右側の稜線(高台)に島田中継局があります。 2005年5月、当方撮影。

 

中継局データ

テレビ NHK総合 NHK教育 SBS SUT SATV SDT
チャンネル 56ch 54ch 62ch 58ch 50ch 48ch
出力 各局とも 100W

当中継局では、NHK2波とSBSでアナアナ変更が行われました。
変更前のチャンネルはNHK−Gが15ch、NHK−Eが18ch、SBSが22chでした。

<参考>
物見塚に中継局を設置していたNHKとSBSの旧チャンネルは、NHK−Gが1ch、NHK−Eが3ch、SBSが5chでした。
また出力は100Wでした。中継局が当地へ移転した後は、しばらくサイマルの後、1999年11月に廃局となりました。

通常、同じエリアをカバーする場合、UHFの出力はVHFの約3倍ですが、ここでは同じですので、牧之原は電波の飛びが
よい場所のようです。

アナログテレビ放送は2011年7月24日をもって終了しました。

 

            周波数     出力
NHK−FM   83.0MHz   100W
K−MIX     85.9MHz   100W

物見塚時代の出力は未確認です。(周波数は変更ありません)


デジタル NHK総合 NHK教育 SBS SUT SATV SDT
チャンネル 16ch 14ch 15ch 17ch 18ch 19ch
リモコン
出力 各局とも 10W

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