送 信 塔 見て歩き
静岡県 ・ 中継局
直接訪問はN様提供の画像で紹介します。


熱海テレビ・ラジオ中継局 2017年5月(遠景)、2019年4月(直接訪問)撮影

熱海中継局は伊豆半島東側の付け根、熱海市や伊東市をカバーする中継局です。
中継局は、熱海市本土から約10km沖合に浮かぶ初島に設置されています。沖合の島から陸地に向けて電波を発射したほうが
効率が良いのでしょうね。

初島には、テレビのほかFM2局とSBSラジオの中継局も設置されています。2007年9月にデジタル化されました。

初島へは、熱海港と伊東港から高速船が出ており交通に不便はないようです。(片道約30分)


前半に当方が2017年5月に玄岳付近から撮影した遠景画像、後半にN様提供の直接訪問の画像を掲載します。


最初にかつてのアナログ中継局の説明です。

NHKとSBSが1963年12月の同時開局、SUTが1977年5月開局、SATVとSDTが1980年7月の同時開局です。
中継局はNHKと民放は別々の2グループです。
送信鉄塔は、どちらも約60m高の支線式(ラジオ塔のような形状)です。 送信アンテナは6L3段2面で、それぞれ全波共用です。
受信はNHKは2波共用4mプレートパラボラ、民放は4社共用4mグリッドパラボラにて、どちらも三島中継局受けです。

各社とも2003年3月ごろに受信アンテナ系を変更しているようです。アナアナ変更に伴うもののようですが、詳細は未確認です。
また、他局のアナアナ変更の絡みで一部の送信チャンネルを精密化しているようです。

民放鉄塔はSBSラジオのアンテナも兼ねています。(と云うか、ラジオのほうが先に開局しています。)
また、NHK鉄塔にはNHK−FMとK−MIXの送信アンテナも設置されています。


今回は、直接訪問ではなく伊豆スカイラインの三島中継局近くからの超遠景撮影です。また、訪問が朝だったため逆光になっています。


中央の遠くに見えるのが中継局がある「初島」です。

 


拡大しました。 これでは分かりにくいので部分部分を撮影して合成した画像をどうぞ。↓

 


露出が異なるため繋ぎ目で縞模様になっています。また、逆光に付き潰れています、悪しからず。

 


鉄塔が2本見えます。デジタルではテレビ中継局はNHK側に1本化されたようです。
左がSBSラジオ、右がデジタル・FM共用と思われます。



当方手持ちのSBSのベリカードに初島がデザインされたものがありました。
(SBS開局30周年記念として、1982年ごろに発行されたベリカードです。
画像自体も1980年ごろのものでしょうか。ホテルなどはありません。)

機会があれば初島へは、ぜひとも直接訪問したいですね。


と、思っていたらN様より直接訪問の画像が届きました。ありがとうございます。

画像を紹介する前に、デジタル中継局の説明です。
2007年10月にデジタル化されています。

少し上でも触れましたが、デジタルではNHK鉄塔を利用し全社共用中継局となっています。
送信アンテナは、全社共用6L3段2面です。ただ、アナログとの共用ができず、直下にはFMアンテナがあるためデジタル
アンテナは中間部に取り付けられました。(アナログ時代の取り付け高さは、海抜115mでしたが、デジタルでは89mになっています。)
受信は、全局共用2mプレートパラボラにて三島固定局をTTL受けです。

FM中継局は、NHK鉄塔にNHK−FMとK−MIXの共用2L1段2面アンテナが取り付けられています。(海抜103m地点)
開局は、NHK−FMが1968年3月、K−MIXが1985年4月です。
受信は、NHK−FMが2mプレートパラボラ2列、K−MIXが3mプレートパラボラにて、どちらも三島固定局SHF受けです。

また、中波のSBSラジオも初島に熱海中継局を設置しています。開局は、1962年8月です。
この鉄塔にはアナログ時代、先端部にテレビアンテナが取り付けられていると云う珍しい形式でした。
デジタルアンテナをアナログと共用できずNHK側へ移転共用したと推測します。

それでは、画像で現在の様子を紹介します。 撮影は2019年4月です。


海上から見た初島の全景です。

 


こちらは、大室山から見た遠景です。


全社共用デジタル・FM中継局(旧 NHKアナログ中継局共用)


全景です。手前がSBSラジオ中継局、奥がデジタル・FM中継局です。

 

鉄塔の全景です。角度を変えて2枚。アナログ時代には、先端部に送信アンテナがありました。

 

上方にある2社共用のFMアンテナの拡大です。角度を変えて2枚。

 

中間部にある全社共用のデジタルテレビアンテナの拡大です。角度を変えて2枚。

 


局舎です。また、受信パラボラも見えます。

ロゴがあります。

当中継局は、デジタルでは民放テレビ各社が同居しましたが、それらしい表示は無いようです。

受信パラボラですが、資料と見比べると地上にあるのがNHK−FMの2基、鉄塔のものはK−MIXのものと思われますが、
サイズが違うように見えます。
また、デジタルのパラボラが見当たりません。もしかしてFMは1基に変更?(玄岳は見通しなので低い位置でよいようです。)

 


鉄塔のモニターアンテナです。テレビとFMの2基あります。


SBSラジオ中継局(旧 民放アナログ中継局共用)

開局は1962年8月です。テレビより少し早い時期に開局しています。

全景を角度を変えて2枚。

 


鉄塔の上部です。

基部です。

アナログ時代には、先端部に民放4社共用の送信アンテナが取り付けられていました。

 

 

局舎を角度を変えて2枚。局舎の形状を見て、かつて日本平にあったアナログテレビ局舎と似ていると感じました。

 


局舎と鉄塔を繋ぐラックです。

支線基部です。

 

受信アンテナを角度を変えて2枚。番組伝送は、5素子八木2列にて三島固定局受です。また、予備にNTT回線もあるようです。

 

なお、この地域をカバーするSBSのFM補完中継局は、三島テレビ中継局がある玄岳に設置されています。

 

中継局データ

アナログ NHK総合 NHK教育 SBS SUT SATV SDT
チャンネル 47ch 49ch 45ch 43ch 41ch 39ch
出力 各局とも 100W

NHK−FM  84.2MHz  100W
K−MIX    83.0MHz  100W
SBSラジオ  1557KHz  100W

アナログテレビ放送は2011年7月24日をもって終了しました。


デジタル NHK総合 NHK教育 SBS SUT SATV SDT
チャンネル 33ch 13ch 15ch 17ch 14ch 29ch
リモコン
出力 各局とも 10W

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