送 信 塔 見て歩き
愛知県
NHK名古屋・よさみラジオ放送所(建設予定地) 2023年8月撮影
NHKでは、中京地区のラジオ基幹放送所である「鍋田ラジオ放送所」について、南海トラフ地震による津波被害で
送信できなくなった場合に備えて、予備放送所の整備を検討していましたが、愛知県刈谷市小垣江町東高根地内の用地、
約28,000平方メートルを取得したことが、公開されている資料から確認できました。
現在は、局舎・鉄塔の設計を進めている段階と思われます。
2023年のお盆休みに愛知県東部・浜松・岐阜県東濃方面への取材の折に立ち寄り、現地を見てきました。
場所は、国道419号線で大きな倉庫並んでいるすぐ東側です。国道の西側には刈谷市立依佐美(よさみ)中学校があります。
NHKでは、倉庫群東側の三角形の土地のうち、台形部分を入手したことが各種資料から確認できます。
現状は更地のまま放置でした。特に説明はありません。 3方向からの合成画像をどうぞ。
ところで、刈谷市のこの場所は、NHK名古屋がかつてラジオ基幹放送所を置いていた名古屋市緑区有松町桶狭間から南南東に約11.5kmに
位置しています。
基幹放送所を沿岸部に移転させ、いまさら予備放送所を造るくらいなら、最初からここに基幹放送所を移転すれば良かったのにと、
現地を見て感じました。(建設予定の予備放送所の出力は、現在と同じです。)
事前にグーグルストリートビューで見て、予備放送所予定地が更地のままと思われたので、これだけだと、つまらないので、
近くに何かないかと調べていたら、ここから北へ約1.2kmの場所に1929(昭和4)年に長波と短波による国際通信を
始めた依佐美送信所の跡地「依佐美送信所記念館」があることを見つけ、寄り道して外観を撮影してきました。
「依佐美送信所」の役割や歴史については公式サイトがありますので、そちらをご覧ください。
全景です。記念館前には、鉄塔の基部を25m残したモニュメントがあります。
依佐美送信所記念館は、「フローラルガーデンよさみ」の一画にあります。
実際に局舎や高さ250mの8基の鉄塔があった場所は県道を挟んだ北側で、現在は太陽光発電所になっています。
別角度から。
県道側から見た記念館の全景です。
県道から記念館へ曲がる角に記念碑があります。
そのうちの1つを拡大しました。
県道向かいの太陽光発電所です。
ところで、当送信所の住所が愛知県刈谷市高須町なのに「依佐美送信所」と名付けられているのは、
開設当時、ここは「碧海郡(へきかいぐん)依佐美村」だったからです。1955(昭和30)年に刈谷市に編入されました。
現在、依佐美と云う名前は、この記念館や中学校などわずかに残っているだけのようです。
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