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石川県 ・ 臨時災害放送局


まちのラジオ(臨時災害放送局)  2025年8月撮影

2025年元日の能登半島地震で甚大な被害を受けた輪島市町野地区では、テレビ・ラジオとも地元中継局の電波が途絶え、
必要な情報の入手が困難となり、さらに追い打ちをかけるように9月の豪雨災害で危機的な状況となりました。

そのような中、情報提供の方法を探るため、住民有志が立ち上がり2025年2月に1日限定の臨時災害放送局の実験放送を行い、
受信エリアの調査や実際に開局した場合のデモンストレーションを行いました。
この結果を受けて、2025年7月7日に臨時災害放送局が開局となりました。

開局の様子は、地元の新聞・テレビで大きく取り上げられていました。

臨時災害放送局とは、災害被害の軽減等、住民に役立つ情報をFM放送により提供するもので、北陸管内では初めての開局とのことです。
現在の免許の有効期間は2026年6月30日となっています。なお、免許人は輪島市です。

町野町は、現在は輪島市の一部ですが、1956(昭和31)年9月までは、独立した自治体でした。地理的にも輪島市の中心部から遠く、
独立志向が強いのかもしれません。

なお、当放送局が、コミュニティFMへと進むのかは、今のところ不明です。


2月の実験放送の段階から当放送局の立ち上げに協力しているのは、東日本大震災で臨時災害放送の経験があるオナガワエフエムです。

オナガワエフエムは、2011年3月の東日本大震災の際に、津波により甚大な被害を受け、生活情報の入手が困難な宮城県牡鹿郡女川町に
開局した『女川さいがいFM』が2016年に閉局した後も、その5年間の経験を活かし、法人化(一般社団法人)された組織です。
2016年の熊本地震、2018年の北海道胆振東部地震などでは、被災地での災害FMの立ち上げに支援・協力しているということです。

前置きは、これくらいにして、送信アンテナなどを画像で紹介します。


まちのラジオの送信アンテナは、輪島市役所町野支所が同居する「輪島市町野多目的集会施設」に設置されています。
スタジオは、すぐ近くの空き地に設けたプレハブ小屋です。(下方で紹介します。)

2月の実験放送では、ここの2階にスタジオを設け、放送を行ったとのことです。 

市役所支所の全景を角度を変えて2枚。

 

送信アンテナは、U型1段です。 屋上壁面に取り付けられています。  角度を変えて2枚。

車で走行しながら聴取していると5km以上、良好に聞こえるようでした。(内容が分かるレベルであれは、電波は10km程度届いていました。)

 


一方、こちらは番組を制作しているスタジオです。

 


別角度から。

 


カメラを左に振ると、市役所支所が見えます。 スタジオは同じ道路沿いで、約150m東側の空き地の一画にあります。
グーグルストリートビューで見ると、以前は店舗があったようです。

 


ここから見えた送信アンテナです。

スタジオのプレハブには、モニターアンテナなどがあります。

また、PRのためなのか屋外に放送中の番組が流れていました。

 

送信所データ

まちのラジオ  88.2MHz  20W


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