送 信 塔 見て歩き
長野県 ・ 中継局
S様提供の画像で紹介します。


伊那テレビ中継局  2020年10月撮影

伊那中継局は、伊那市富県の高鳥谷山(たかずやさん・標高 1331m)の山頂から北側へ標高で約150m下がった地点に
設置されています。伊那市周辺を広くカバーする中継局です。

最初に、かつてのアナログ中継局の説明です。
開局は、老舗3社(NHK・SBC・NBS)4局が1970年8月、TSBが1980年10月、ABNは1991年4月です。
(TSBとABNは、美ヶ原と同時開局です。)

開局時期はバラバラですが、全社共用の中継局です。

送信アンテナは、3グループに分かれています。上からNHK2波共用、SBC・NBS共用、TSB・ABN共用の順です。
形式はすべて6L1段2面です。
受信は、NHK2波とSBCは個別の8素子八木、TSBとABNも個別の90CRにて、全局 美ヶ原受けです。

2006年10月にデジタル化されました。(民放4社は、美ヶ原のデジタル化と同時です。NHKは美ヶ原から半年遅れです。)

それでは。現在の様子を紹介します。


デジタル中継局は、一見アナログ中継局をそのまま継続して開局したように見えます。


見上げ位置から。
全景を角度を変えて2枚。

 


鉄塔の様子です。

送信アンテナです。

別角度から。

デジタルアンテナは、アナログ3段目の位置に取り付けられたようです。形式はアナログと同じく6L1段2面(全波共用)です。

アナデジサイマル時代のアンテナの取り付け方は未確認です。

ところで、当中継局では、送信アンテナは北向きにのみ設置されています。これは、南北に長い伊那谷は基本的に美ヶ原からの
電波が届くため、基幹局でカバーできない伊那市北部や南箕輪村、箕輪町、さらには旧高遠町周辺をエリアにしているためです。

 

受信は、全社共用3mグリッドパラボラにて美ヶ原放送波受けです。角度を変えて2枚。

 


局舎は2棟あります。

シェルター型はデジタル局舎です。

資料の記述では、旧アナログ局舎はデジタルでは使用していないようです。 では何に使われているのでしょうか。 下方で説明します。

 


アナログ局舎の表札です。TSBは後付ですが、最後発のABNはありません。

 


GPSです。

垂直八木のほか、見慣れないアンテナがあります。

 


アナログ局舎前には、大小2基のパラボラが付いた鉄塔があります。


大きさを変えて2枚。

当中継局には、美ヶ原から送られたNHK中波ラジオ番組を伊那ラジオ中継局へ
伝送する中継局(固定局)が併設されています。
旧アナログ局舎は、ラジオ固定局として使われているようです。

この固定局は、1999年7月から運用されています。 

大きなパラボラで受けて、小さなパラボラでラジオ中継局へ送っています。 なお、SBCは、美ヶ原からVHF波で直接ラジオ中継局へ送っています。

現在は見ることができない某サイトの画像では、この場所には固定局開局以前は、テレビ受信8素子八木アンテナ(上下2段・上段E/下段G)の
支柱鉄塔がありました。
同じ場所に、現在の固定局パラボラ鉄塔が新築され、先端に小型パラボラが取り付けられたため、テレビ受信の八木アンテナは中段に2列の形式
(後ろから見て左にG、右にE)で取り付けられました。(さらに下段に美ヶ原受けパラボラです。)

下段の大きなパラボラは、アナログ放送が終了して八木アンテナ撤去された後、2mほど上へ移動したようです。
(以前、八木アンテナがあった位置に移動しています。)

 

中継局データ

アナログ NHK総合 NHK教育 SBC NBS TSB ABN
チャンネル 53ch 51ch 55ch 57ch 59ch 61ch
出力 各局とも 100W

アナログテレビ放送は2011年7月24日をもって終了しました。


デジタル NHK総合 NHK教育 SBC NBS TSB ABN
チャンネル 28ch 27ch 23ch 26ch 22ch 24ch
リモコン
出力 各局とも 10W

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