送 信 塔 見て歩き
長野県 ・ 中継局
S様提供の画像で紹介します。


NHK信濃阿南FM中継局  2022年4月撮影

信濃阿南FM中継局は、下伊那郡阿南町の弁当山の南東側高台に設置されています。(当中継局の場所は、Webを検索すると
ヒットする「弁当山公園」とは異なります。山頂から南東方向に 約1km離れた位置です。)

当中継局では、アナログ時代にはABNを除く各社がテレビ中継局を設置していました。しかしながらデジタル化されずに廃局になり、
現在はNHK−FM中継局のみ稼働しています。
ただ、付近には、地元コミュニティFMのiステーションが固定局を設置しているほか、行政系の無線局が旧民放中継局の局舎を
利用して設置されています。また、鉄骨で組んだ立派な展望台もあります。

ここで、かつてのアナログ中継局の説明です。

まず中継局名ですが、NHKのみ頭に「信濃」と付き、民放は単に「阿南」です。
開局は、NHKが1965年10月、SBCが1966年5月、NBSが1976年10月、TSBが1988年12月てす。(ABNは開局しませんでした。)
開局時期がバラバラなため、4社とも個別に中継局を設置しています。

送信アンテナは、VHF送信のNHK2波とSBCは、チャンネルごとに3素子八木1段2面(NHKでは、Gが上段、FMは3段目)
UHF送信のNBSとTSBはそれぞれ2L2段1面+4L1段1面の構成です。
受信は、NHKは個別の8素子八木2列、SBCは8素子八木1基、NBSとTSBは個別の2.4mグリッドパラボラにても全社送信点で
飯田中継局受けです。

一方、FM中継局の開局は、1972年7月です。テレビ中継局に同居です。
送信アンテナは、3素子八木1段2面。受信は、送信点で5素子八木にて飯田中継局受けです。

それでは、現在の様子を画像で紹介します。



全景です。 元テレビ中継局だけあって大きな局舎です。

 

鉄塔と送信アンテナの拡大です。 鉄塔は、アナログテレビアンテナが取り付けられていた部分は撤去されています。

 

受信アンテナと鉄塔の銘板です。

 


付近に設置されている無線局も紹介します。

藪の中にある阿南町の防災行政無線局です。 過去に存在したサイトの画像と比較すると、旧NBSアナログ中継局を再利用したように見えます。

 


表札です。
 


こちらの無線局は、展望台の近くにあります。

過去に存在したサイトの画像と比較すると、旧TSB中継局があった辺りに新築されたようです。(形状が、まったく異なります。)

 


角度を変えて、もう1枚。
 


ところでアナログ時代、阿南町の町営ケーブルテレビの受信点が展望台横(今ある無線局とは反対側)にあったようです。

阿南町のケーブルテレビでは、アナログ時代は複数の場所に受信点を置き、地元長野県を始め愛知県と三重県の民放全局を
再送信していたようです。

当時は1〜12のVHFチャンネルは7chを除きすべて埋まっていたようです。はみ出した名古屋テレビと三重テレビはUHFチャンネル
に回されたようです。
一方、デジタルでは、県外波の再送信は行っていません。また、デジタル受信点は未確認です。

町のHPにも案内がありますが、当地域では個人でアンテナを建ててもテレビは映らないようで、ケーブルテレビの加入を進めています。
ちなみに月額500円のようです。(視聴できるのは長野県内局と自主チャンネルの7ch、ちなみに民間の飯田ケーブルテレビも阿南町は、
営業エリアのようです。)

 

中継局データ

アナログ NHK総合 NHK教育 SBC NBS TSB
チャンネル 8ch 12ch 10ch 21ch 23ch
出力 V・Uとも 10W

アナログテレビ放送は2011年7月24日をもって終了しました。


NHK−FM  82.8MHz  10W

FM長野は中継局を設置していません。


©2022 送信塔見て歩きWeb