送 信 塔 見て歩き
港区 芝公園
東京タワー
2015年10月に、東京都心部でFM関係のアンテナをいくつか見てきました。東京タワーもその一つです。
今回は訪問時刻と前後の取材の関係で、主に東側からの望遠撮影のみとなっています。
今回訪問すると、何も工事をしておらず、すっきりとした状態でした。(ここ10年余り、いつ来ても工事をしている印象があります。)
デジタルアンテナ取り付けから始まった一連の工事は、とりあえず終了かと思われます。(残っている工事は、InterFMの
アンテナ取り外しでしょうか。 ← 配線だけ外して放置の可能性もあります。)
ところで、2015年はFM放送帯からV−Lowアナログテレビ跡地にとって、エポックとなる年だったと思います。
特に関東地方では、いろいろなことが一気にありました。
・ | IBSのFM補完放送開始 | |
・ | AM民放ラジオ3局のFM補完放送開始 | |
・ | V−Lowマルチメディア放送の試験電波発射 | |
・ | J−WAVEの港中継局開局 | |
・ | InterFMの周波数変更 | |
・ | FMヨコハマの磯子中継局開局 | |
・ | TFMの檜原中継局開局 |
これ以外にも、一部のコミュニティFM局でも周波数の変更があったようです。
今回は、V−Lowマルチメディア放送 と InterFM の各アンテナについて考察します。
と云いつつ、東京タワーの各部分を撮影し確認しましたが、新しいアンテナが取り付けられた様子はありません。
当方の推測ですが、V−Lowマルチメディア放送はTFMのアンテナから、InterFMの新周波数は、2012年4月までNHK−FMなど
3局が使用していたアンテナから、それぞれ送信と思われます。(どちらも現時点では未確認です。)
NHK−FMは、東京スカイツリーへ送信所を移転した後も、東京タワーを予備送信所として機能を残しており、以前使用していた
アンテナは予備アンテナとして存続させています。InterFMは、それに相乗りしているものと思われます。
(ただし、8段ある素子を全部使っているかは不明です。)
また、NHK−FMとアンテナを共用していた社のうち、TFMはアンテナをNHKテレビアンテナがあった先端部に移転新設し、
単独で運用しています。また、J−WAVEは東京タワーから完全撤退しています。←予備アンテナは六本木ヒルズ屋上にあります。
現在の様子です。
赤羽橋から。 |
芝公園広場から。 |
TFMアンテナのうち2L部分です。
ここでFMアンテナを探せのコーナーです。 左画像は、特別展望台と大展望台の間の部分です。 この部分にFMアンテナがありますが、鉄骨の内側(エレベーターホールの外枠?)に どこにあるか、分かりますか。
別ページの画像には、アンテナの場所にマーキングを付けました。 また、戻る場合はブラウザの「戻る」ボタンでお願いします。
その前に、答え画像のマーキングの説明です。 現時点では、東京スカイツリーへ移転前と同じ状態ですので、その時の使用社名で 上から8つの○印は、NHK−FM ・ TFM ・
J−WAVE共用のスーパーゲイン8段の その下の4つの縦に長い○印は、放送大学の2L4段のそれぞれの素子です。 一番下の縦に長い○印は、InterFM 76.1MHzの2L1段の素子です。(海抜165m)
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ところで今回の訪問(2015年10月)で撮影した画像をチェックしていたところ、今まで存在に気付かず紹介していないアンテナがありました。
芝公園方向から見て右側、大展望台のすぐ上あたりの鉄骨柱に90CRとFM用らしい八木アンテナが、それぞれ2基です。
遡って調べたところ、2011年10月には無く、2012年5月に撮影した画像に初めて現れます。この半年の間に設置されたようです。
こちらは、2013年7月に撮影した飯倉交差点側からの画像です。
方向から見て、スカイツリーからのテレビとFMの電波をモニターしていると思われます。ただ、スカイツリーまでの距離が近いので、
各1基ずつ(NHKと民放は別々?)での受信と予想します。
直下のタワービル屋上にもスカイツリー向きの受信アンテナがありますので、もしかしたら、
屋上のものは一般のアンテナかもしれません?。
また、別の鉄骨柱にはデジタルモニターアンテナも2基あります。 2013年7月撮影
芝公園方向の画像に戻ります。 もう一つ発見がありました。
2013年7月撮影 |
2014年5月 |
以前にあったグリッドパラボラとプレートパラボラが撤去されて、グリッドパラボラがあった付近にプレートパラボラが新設されています。
新旧の各パラボラの用途や対向先は未確認です。(以前、浜松町の文化放送向きと予想していたプレートパラボラが撤去されています。)
こちらは、その部分の今回(2015年10月)撮影の最新画像です。
同じく、90CRと八木アンテナ部の拡大です。
東京タワーは、東京スカイツリーの開業でテレビ・FMの送信機能の大半が移転し、注目度が下がっていると思われますが、
まだまだ各拠点間を結ぶ中継設備の機能は健在と云うか、パラボラは増加しているようにも見え、さらに重要になっている
ようです。(賃料が下がって借りやすくなったのかもしれません。
← 未確認ですので、鵜呑みにしないようにお願いします。)
InterFMの周波数変更について
InterFMは東京タワー最後発の局(1996年3月開局)で、アンテナ取り付け位置が展望台のすぐ上という低い位置(海抜165m)でした。
さらに周波数も76.1MHzで、コミュニティFMで多く使われている周波数帯だったため混信も発生し、聴取可能エリアが本来の設定より
さらに狭かったようです。
それの対応のために、横浜市鶴見区のTVK鉄塔に横浜中継局を設置したくらいです。
また、InterFMは、外国人をターゲットにしていますが、諸外国でのFM放送は、日本とは異なり
88MHzから108MHzで送信されて
いるのが一般的で、76.1MHzという周波数は、本国から持ち込んだラジオでは受信できないという問題もあったようです。
周波数変更の本当の狙いは、東京五輪が5年後控え、増えるであろう外国人旅行者が持参したラジオで、そのまま聴くことができる
ようにすること、だとされています。
では、FM放送は90MHzまで使えるのに、なぜ最初から高い周波数で放送されなかったのでしょうか。
実は、東京地区ではアナログ時代には、NHKテレビが1チャンネルを使用していたため、FM放送で使用できる周波数帯域が
76MHz〜86MHzまでに制限されていました。
これは、ガードバンドと云って、隣接する周波数帯域を使用する別のシステム(この場合は、テレビ放送とFM放送)との干渉を防ぐ
ために設けらた「FM放送に使用しない周波数帯域(86MHz〜90MHz)」があったからです。
アナログテレビ放送が終了し、V−Low帯域(90MHz〜108MHz)を利用しなくなったため、この4MHz幅の制限も解除されました。
東京など関東南部地区では、元々放送局数が多いにもかかわらず、このような理由から使える周波数が、本来の2/3程度だった
ため大混雑していました。
アナログテレビ放送が終了し、これらの問題が解決するとともに、アンテナ高さも上げたとのことですので、聴取可能エリアが広かった
と思われます。
今後は、コミニティFM局でも周波数の再編が、さらに進むかもしれません。
ところで、今回、カメラを買い替えましたので、テストをしました。(確か、前回東京タワーを訪問した時も同じことをした覚えがあります。)
新しいカメラは、ニコン COOLPIX P610 です。35mmカメラ換算で 24mm相当から1440mm相当まで、60倍の大きさで撮影できます。
芝公園で東京タワーを撮影しました。
24mm相当です。 |
左画像と同じ位置からの1440mm相当です。 |
真ん中画像の航空障害灯部分を切り取った原版サイズです。 |
オリジナル画像(4608 x 3456)を、そのまま 420 x 560 に縮小したものです。トリミングや色合の調整はしていません。
右画像はオリジナルサイズから、そのまま 420 x 560 に切り取ったものです。拡大・縮小はしていません。若干ブレていますが悪しからず。
2015年11月現在の放送所データ
TOKYO FM 80.0MHz 10KW
放送大学テレビ 28ch 5KW
放送大学FM 77.1MHz 10KW
InterFM 89.7MHz 10KW
以下は、予備施設です。
デジタルテレビ | チャンネル | リモコン |
NHK総合 | 27ch | 1 |
NHK教育 | 26ch | 2 |
日本テレビ | 25ch | 4 |
TBSテレビ | 22ch | 6 |
フジテレビ | 21ch | 8 |
テレビ朝日 | 24ch | 5 |
テレビ東京 | 23ch | 7 |
NHK−FM 82.5MHz 5KW
TOKYO FMの予備送信所は、檜原村の臼杵山にあります。
J−WAVEの予備送信所は、港区の六本木ヒルズ屋上にあります。
TOKYO MXは、東京タワーに予備送信所を設置していません。
また、本放送に向けて V−Lowマルチメディア放送の試験電波が発射されています。
放送大学を除くデジタルテレビ放送、NHK−FM、J−WAVE、モバキャス、TBSラジオ
・ 文化放送 ・ ニッポン放送の
FM補完中継局(ワイドFM)の送信所は、東京スカイツリーです。
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