送 信 塔 見て歩き
東京都 ・ ギャップフィラー中継局(テレビ・FM)
N様提供の画像で紹介します。


八重洲地下街ギャップフィラーシステム  2021年6月撮影

東京都中央区の八重洲地下街には、ギャップフィラーシステムによるテレビとFMの中継局が設置されています。
(総務省の無線局免許検索でも免許人・八重洲地下街株式会社でヒットします。)

当システムは、実験局として始まったようです。歴史を紐解くと、2007年4月2日にデジタルラジオ推進協会(DRP)が
免許人として開局しています。
(開局したのは、ワンセグテレビとFM放送です。中波ラジオの再送信は別の免許人のようです。←開局時期は未確認です。)
2008年3月31日には、実験局から受信障害対策中継局へ免許の種類が変更されています。

DRPといえば、東京タワーと生駒山でデジタルラジオの実用化試験局を開局していた団体です。
2006年11月に電波遮蔽対策事業に乗り出せるよう定款を改正していました。

デジタルラジオが頓挫した後は、2014年4月に「放送遮蔽対策推進協会」と改称しています。
そして、最初の免許から10年になる2017年3月には、当施設を地下街管理会社に譲渡し、無線局の免許人も
八重洲地下街株式会社に承継されています。

同様に川崎市・大阪市・名古屋市の地下街にある同様の施設も免許から10年の時点で地下街管理会社へ移管されています。
すべての施設の譲渡と免許の承継が完了した後の2020年7月には、当協会は役割を終え解散しています。

映像メディア学会誌Vol.60 No5 によれば、2005年後半?に、八重洲地下街にて、電波伝搬特性の把握や再送信システム導入の
課題等を確認するために、地下街の8か所にアンテナを設置し1mW出力で実験が行われたようです。


説明が長くなりました。 N様からの画像を紹介します。


全部でいくつアンテナがあるのか未確認ですが、4か所の画像の提供を受けました。

 

天井のアンテナを拡大しました。カバーに覆われ形状は確認できません。

上記で書いた2005年(?)の実験では、平面逆Fアンテナ(利得3dBi・UHF34ch・出力1mW)が使用されました。
このアンテナでの受信可能距離は天井面設置では約55m、天井裏設置では約25mだったとのことです。

実験では、天井裏に8か所設置で受信可能エリアは、地下街通路の約57%だったとのことですので、倍の16か所程度にアンテナを設置すれば
地下街全体をカバーできると想定できます。

と云うことは、天井面設置の場合は配置を工夫すれば、8か所設置で地下街をほぼカバーできると思われます。←この部分は当方の見解です。

FMアンテナについては、情報がありません。UHF・VHF兼用アンテナは考えにくいので、2種類のアンテナが収められているのかもしれません。


同様に、あと3か所の画像をどうぞ。

 

 


 



 

 

八重洲地下街では、中波ラジオも再送信されていたようですが、現在は廃止されたようです。(免許検索でもヒットしません。)

それと、もう一つ、親局受信場所については未確認です。免許検索では、ワンセグ・FMとも千代田区になっています。
八重洲地下街株式会社の本社所在地が千代田区丸の内のビル15階になっていますので、そこにあるのかもしれません。

  

中継局データ

デジタル NHK総合 NHK教育 NTV TBS CX EX TX MX
チャンネル 27 26 25 22 21 24 23 20
リモコン
出力 各局とも 1mW

FM放送

NHK−FM ・ FM東京 ・ J−WAVE ・ インターFM  出力 各局とも200mW

テレビチャンネル・FM周波数は、すべての局が親局と同一です。

免許検索で確認すると、NHK−FMの電波には、地上波と同じく交通情報の信号も乗っています。


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