送 信 塔 見て歩き
福島県 ・ 中継局
N様提供の画像で紹介します。


白河テレビ・FM中継局  2021年9月撮影

東北地方への玄関口、白河中継局の紹介です。当中継局は、白河市金子平の富士見山に設置されています。
市中心部のすぐ北東側の山です。JR東北本線・白河駅から直線距離で約1.5km辺りです。

当中継局は、福島県中通り南部をカバーする主要中継局です。

最初に、かつてのアナログ中継局の説明です。
開局はNHKとFTVが同時に1965年12月、FCTが1970年4月、KFBが1981年9月、TUFが1983年11月です。
中継局はKFBとTUFが共用以外は、単独設置の4グループに分かれています。

送信アンテナは、各社とも6L1段4面です。NHK2波とKFBとTUFは、それぞれ共用です。

受信はNHKとFTVは個別の8素子八木2列、FCT・KFB・TUFは4mグリッドパラボラ(KFBとTUFは共用)、
全社 送信点で笹森山受けです。

当中継局では、NHK−FMと ふくしまFMも中継局を設置しています。開局は、NHK−FMが1969年12月、
ふくしまFMが1995年10月(基幹局と同日)です。

2007年12月にデジタル化されました。

それでは、画像で紹介します。



遠景です。

 


拡大しました。 鉄塔が3基見えます。 左からNHK−FM、デジタル、少し離れて ふくしまFMです。 


当中継局は「羅漢山霊園」の奥にあり、グーグルストリートビューで見ると、登山口には、富士見山の登山者に向けて
『霊園正門が午後5時に閉まるため午後4時30分までの下山』をお願いする立看板があります。


広場のような場所に局舎が2棟と受信アンテナらしいものが見えます。

アップと引いた画像の2枚。


まずは、上記画像の手前、デジタル中継局から紹介します。


全景です。 デジタル中継局は、山頂部の空いている場所に、全社共用で新築されました。

 

局舎屋上の鉄塔を角度を変えて3枚。

 

送信アンテナは、全社共用6L1段4面です。 角度を変えて2枚。 

 


局舎です。

表札です。

民放には、補助金が出ているようです。

 

受信は、全社共用3mプレートパラボラにて笹森山放送波受けです。 角度を変えて2枚。

 


モニターアンテナです。

GPSです。 鉄塔と屋上にあります。

 


続いて、NHK−FM中継局の紹介です。


全景と屋上の鉄塔の拡大です。

資料では、アナログ時代のテレビ中継局に、NHK−FMと ふくしまFMが併設になっていますが、現状は、下方でも紹介の通り、
ふくしまFMは、単独で中継局を設置しています。

 


別角度からの鉄塔の様子です。

送信アンテナは、ST1段です。

別角度から。

 

局舎を角度を変えて2枚。

 


ロゴです。

表札はアナログ時代のままです。

 

鉄塔中間部の様子です。 FPUらしいものが2基、それとモニターアンテナがあります。 角度を変えて3枚。

 


局舎脇には、5素子八木2列の受信アンテナかあります。

別角度から。

 
ところで、NHK局舎屋上には、もう1基、気になる鉄塔があります。 これは何でしょうか。

過去の様子を確認するため、ネット上を探索すると「放送まにあ」様が、当中継局を2005年夏に訪問されていました。

その時の画像を見ると、上記鉄塔が長く伸びており、先端にテレビ送信アンテナ、その下にFMのST1段が取り付けられています。
以前は、『この鉄塔が送信鉄塔だった』ことが分かりました。

さらに調査すると Wikipedia のエフエム福島のページに『2011年3月11日に発生した東日本大震災では、地震の影響により、
白河中継局は、鉄塔が倒壊し、3月14日まで、白河中継局からの放送が停波した。』とあります。

ただ、NHK年鑑2012年版には、 白河FM中継局については設備を更新した、と簡単に触れられているだけです。
(当中継局のテレビ部分については触れられていません。)

また、「東日本大震災における東北総合通信局の対応状況」を見ても、福島県の放送関係被害は、テレビ中継局
5カ所停波、ラジオ中継局:2カ所とあるだけで詳細が分かりません。(こんなに少ないとは思われませんので、
集計しきれていないと思われます。)

中継局の現在の様子から見て、当時NHK鉄塔に何らかの被害があったのは、間違いないと思われます。
その後、NHKは局舎屋上の反対側に、補強を高めた鉄塔を新築したものと思われます。
(鉄塔は、すぐに建つわけではないので、当時NHKがどんな緊急対応をしたのかは未確認です。
デジタルテレビは開局済みでしたので、NHKテレビが見られないということは免れました。)

一方、ふくしまFMでは、緊急対応として、付近の別の鉄塔から電波を出したものと、結論付けました。
そして、現在に至るのではないかと思います。(今使っているアンテナは、緊急対応とは別のアンテナと思います。)


と云う訳で、最後に ふくしまFM中継局の紹介です。


デジタル中継局の南側の森に鉄塔が見えます。

 


鉄塔を拡大しました。

送信アンテナは、3素子八木3面です。

受信は5素子八木2列です。

 


正面です。

 


別角度から見た敷地の様子です。

 


局舎は、鉄塔の真下にあります。

ラックです。

 


引き込み部です。

ところで、この中継局、ふくしまFMが建てたものとは思えないので、以前は何だったのか、またまた調査しました。

前述の「放送まにあ」様の白河中継局の民放各社の画像と見比べると、局舎の雰囲気や鉄塔の形状から、
アナログFCT中継局だったと結論付けました。 なんだか、業務無線局みたいな作りですね。

 


赤枠の位置に「FCT」のロゴがありました。
画像をよく見ると文字が消された跡が確認できます。周りと比べ少し色が異なります。



富士見山は、標高437mで国土地理院の地図にも名前が載っています。
中継局脇には、一等三角点もあります。

ただし、ネットを探索した結果、ここからは「富士山」は見えないようです。

 

中継局データ

アナログ NHK総合 NHK教育 FTV FCT KFB TUF
チャンネル 60ch 58ch 62ch 56ch 46ch 44ch
出力 各局とも 100W

福島県のアナログテレビ放送は2012年3月31日をもって終了しました。

NHK−FM  84.3MHz  100W
ふくしまFM
  79.8MHz  100W


デジタル NHK総合 NHK教育 FTV FCT KFB TUF
チャンネル 16ch 13ch 18ch 17ch 19ch 20ch
リモコン
出力 各局とも

10W

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