送 信 塔 見て歩き
宮城県 ・ 中継局


志津川新井田テレビ中継局 跡  2025年5月撮影

志津川新井田(にいだ)アナログ中継局は、南三陸町志津川新井田の高台に設置されていました。
国道45号線と県道206号が交わる「磯の沢橋三叉路」の西 約240m辺りの場所です。

開局は、全社同時に1981年1月です。パンザマストにミニBOXと云うミニサテ局です。

送信アンテナは、全社共用8素子リングアンテナ2段1面+5素子リングアンテナ1段2面の構成です。
受信は送信点で、全社共用16素子リングアンテナ2列にて志津川中継局受けです。
免許時のエリア対象世帯は約190世帯だったようです。

一方、デジタル中継局は、平地に下りてきて集落の中に設置されました。

当デジタル中継局は、2011年1月20日に予備免許を受け3月上旬から試験電波を発射し、4月上旬に開局
予定でしたが、3月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の津波被害を受け、流失してしまいました。

東日本大震災での宮城県内の放送関係の被害は、アナログ・デジタルの各テレビ中継局では40カ所以上の
中継局で停電による一時的な停波がありました。アナログの志津川新井田中継局も一時停電しましたが復旧しています。

中継局本体に被害があったのは、東日本大震災全体で見ても当デジタル中継局だけです。

当中継局の再建については、被災地域の復興計画が未定だったため、一旦取りやめになりました。

震災後、14年経っていますが再建の情報が無いので、正式に中止になったと思われますが、ネット上を探しても
情報を見つけることができませんでした。

今回、宮城県への取材の折、現地がどうなっているのか見てきました。


地形が変わっているため、ハッキリしませんが画像中央付近にあったものと思われます。

 


別角度から。この画像では、正面奥やや右寄りです。

 


給食センター前からのパノラマ画像です。

アナログ中継局は、画像中央奥の高台(高台に見える住宅の左上の樹林の中)に設置されていたものと思われます。

 


こちらは、気仙沼線BRTの廃線区間との境辺りから見た遠景です。正面に見える遮断機から先が存続区間です。

BRTは、ここを起点に南三陸町中心部を行き来します。(市街地北側出入り口です。)
 


国土地理院ウェブサイト「地図・空中写真閲覧サービス」より切り出した画像に印を付けました。


2008年10月撮影

2011年6月撮影の震災直後の様子

黄色の丸は、アナログ中継局の位置、赤丸はデジタル中継局の位置です。

 


2019年3月撮影 赤丸の位置にデジタル中継局があったと思われます。

なお、地形が変わっているため、場所を示してもあまり意味がありません。
 

出典:国土地理院ウェブサイト「地図・空中写真閲覧サービス」よりダウンロードしたものを切り出し・加工しています。


2013年2月27日に総務省で開かれた「放送ネットワークの強靭化に関する検討会」で日本民間放送連盟から
ご説明資料として出された書類に、東北放送の撮影と思われる当中継局の被災前と被災後の画像が載っています。


震災前の貴重な画像です。転載します。

 

中継局データ

アナログ NHK総合 NHK教育 TBC OX MMT KHB
チャンネル 36ch 38ch 40ch 42ch 44ch 46ch
出力 各局とも 0.1W

宮城県のアナログテレビ放送は2012年3月31日をもって終了しました。


デジタル NHK総合 NHK教育 TBC OX MMT KHB
チャンネル 22ch 26ch 18ch 20ch 14ch 16ch
リモコン
出力 各局とも 0.01W

当デジタル中継局は、2011年1月20日付けで予備免許が出され、3月上旬から試験電波が出ていましたが、
3月11日の地震による津波被害で流出し、被災地域の復興計画が未定だったため、中継局の再建が
一旦取りやめになりました。

その後の情報をネット上では確認できませんが、正式に中止となったと思われます。


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