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宮城県 ・ 中継局


涌谷テレビ中継局  2025年5月撮影

涌谷(わくや)中継局は、遠田郡涌谷町の加護坊山に設置されています。宮城県で最初に設置されたデジタル中継局です。
開局は2006年7月です。

当地には、アナログ中継局は置局されておらず、当中継局はデジタル新局です。100W出力の大規模な中継局で、
固定局も併設され、県北地域の準基幹局となっています。

ところで、当施設は元々、デジタルテレビ放送実用化のための実験局として建てられたものです。NHKでは、
当局のほか気仙沼、志津川、東和米川の各局で構成されるみやぎ実験局が2004年に開設し、約1年間に渡る
長期の検証実験が行われました。

実験では、気仙沼局を1段目、志津川局を2段目とするSFN2段中継が行われ、この時に得られたデータを元に
性能改善された実用機器が岐阜県の長良中継局に導入され、2005年12月に世界初となる回り込みキャンセラーを
使用した放送波中継によるSFN本放送が開始されたとのことです。
(これ以外にも、この施設を使って実験が行われたようです。)

当施設では、実験終了後アンテナは取り外されていましたが、デジタル中継局が開設されることになり、アンテナが
再度取り付けられ復活しました。


それでは、画像で紹介します。


西側から見た遠景です。

 


上記場所からの拡大です。

全景です。

 

さらに全景を角度を変えて2枚。

なお、当中継局には、局名を示す表札・看板・銘板等が一切見当たりませんので、それらの画像はありません。

 

鉄塔の様子を角度を変えて2枚。

 

送信アンテナは、4L2段4面(垂直偏波)です。100W出力の大規模中継局が垂直偏波なのは珍しいですが、
多分、仙台基幹局とチャンネルがNHK−Eを除き同じため、混信を避けるためと思われます。

 

局舎を角度を変えて2枚。

 


さらにもう1枚。

 

仙台に向く親局受信アンテナです。

鉄塔の縦に並ぶ2基の3mプレートパラボラ(スペースダイバシティ)は、NHK−Eを除く大年寺山固定局受けTTLです。
地上に建つ2.4mプレートパラボラは、NHK−Eの仙台基幹局放送波受けです。

100W出力では、さすがに同一チャンネルでの受送信はできないようで、仙台と同一のチャンネルは、TTL伝送です。

 


その他にもパラボラが3基あります。固定局が併設されています。

奥に向いている3基が送信用パラボラです。(右側の手前向きの1基はスペースダイバシティ上段の受信パラボラです。)

個別に見ていきます。


北東に向く2基の2.4mプレートパラボラです。

南東に向く3mプレートパラボラです。

北東に向く2基は、東和米川中継局と嵯峨立南中継局送りのTTLパラボラです。(どちらもNHKのみの伝送です。)
南東に向く1基は、大草山固定局送りのTTLパラボラです。(NHK・民放 全社共用です。)

 


ラックやGPS、モニターアンテナです。

拡大しました。

 

付近には、業務用無線鉄塔もありました。なお、所属は確認していません。


中継局の横を通りさらに奥にあります。

テレビ中継局と同じ道路沿いにある2基の鉄塔です。

 


こちらは、加護坊山 第2駐車場脇にある鉄塔です。

左記、鉄塔の右脇の道しるべです。 この道を約500m行くと中継局に到着です。

道はここから狭くなります。(上記のままの幅で続いています。)
すれ違いができる場所は2か所程度でした。

加護坊山 第1駐車場脇にある地元コミュニティFM「おおさきエフエム放送」の送信所は、別ページで紹介します。

 

中継局データ

デジタル NHK総合 NHK教育 TBC OX MMT KHB
チャンネル 17ch 14ch 19ch 21ch 24ch 28ch
リモコン
出力 各局とも 100W

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