送 信 塔 見て歩き
宮城県 ・ 中継局


箟岳東デジタルテレビ中継局  2025年5月撮影

箟岳東(ののだけひがし)中継局は登米市豊里町笑沢、楠田山の南西側中腹に設置されています。

JR気仙沼線・御岳堂駅の北 約1.7km辺りの場所です。訪問の際は、登米市クリーンセンターを
目指せば便利です。ただ道路はクリーンセンターを過ぎると突然狭くなります。

中継局名の通り、当中継局から見て南西 約10km辺りにある箟岳の東側(楠田山と箟岳の間の平野部)を
サービスエリアにする中継局です。

当地にはアナログ時代、豊里中継局が設置されていましたが、デジタルでは涌谷中継局がデジタル新局として
開局したことで、これまでと同じエリアが別方向からの送信でカバーされ、開局する予定はありませんでした。

しかしながら、箟岳東側の一部地区では、デジタル放送を仙台局、涌谷局、石巻局のいずれの方向へアンテナを
向けても視聴できないという問題が発生し、早急な対応が求められました。

と云う訳で、急遽廃局予定の当中継局を継続させることになりました。ただ、アナログ時代とは異なりサービスエリアが
箟岳東側の狭い地域に限定されたため、逆にアナログ時代に豊里中継局を受信していた周辺の多くの世帯が
これまでと同じようにアンテナを向けることを避けるため、中継局の名称をエリア限定を意味する箟岳東に変更し、
デジタル新局の形で開局したとのことです。
出力も通常はアナログの1/10ですが、ここでは1/30と大幅に減力されています。

ここで、かつての豊里アナログ中継局の説明です。
開局は、全社同時に1978年11月です。鉄塔は共用、局舎はNHKと民放が分かれて設置されています。

送信アンテナは4L3段1面がNHK2波共用と民放4波共用の2セット取り付けられています。(NHKが上段)
NHKと民放でアンテナが別々なのは、送信チャンネルの関係と思われます。

なお、当中継局では、NHK−G・Eの2つのチャンネルがアナアナ変更の対象でした。サイマル時代及び変更後の
アンテナの取り付けについては、未確認です。(NHK2波のアンテナは、今のデジタルのように突き出して設置の
可能性があります。)

受信は全社送信点で、NHKはGが8素子八木2列、NHK−E・TBC・OXが個別の8素子八木、MMTとKHBは
共用1.8mグリッドパラボラにて、全局仙台基幹局受けです。

他サイトのアナログ時代の鉄塔画像を見ると鉄塔中間部に八木アンテナが3段とグリッドパラボラが取り付けられて
いたことが確認できます。

また、当中継局ではNHK2波がサービスエリア向けの4L3段1面の送信アンテナ以外に、鳴子中継局向けに
4m(?)プレートパラボラにて放送波中継を行っていました。これは、気象条件等で仙台基幹局受信が不安定な
ための措置と思われます。(他サイトのアナログ時代の鉄塔画像には、西北西に向くプレートパラボラも確認できます。
←局間が約50kmありますので、送受信とも大きなパラボラが必要なようです。受信側も4mパラボラ)
なお、民放の鳴子中継局への番組伝送は、直接仙台基幹局受けです。

当中継局は、2010年12月末にデジタル新局として開局しています。



全景です。東方向の見通しがよい場所です。

 

鉄塔はアナログ時代からの継続です。 角度を変えて2枚。 

 


裏側(道路側)から見た鉄塔です。

 

送信アンテナを角度を変えて2枚。

他サイト画像のアナログ時代のアンテナの様子を見ると向きが若干北寄りに向いているようですが、ほぼ変わらなく見えます。
電波出力が下がり遠くまで届かなくなったということだと思われます。

 

局舎を角度を変えて2枚。 こちらは、全社共用で新築です。

 


表札です。 社名の表示はありません。

 


受信のオフセットパラボラです。
垂直偏波ですので、涌谷中継局放送波受けです。

モニターアンテナとGPSです。
 

 


ラックです。

ここにもGPSがあります。

 

鉄塔基部周辺の様子です。 左画像で説明すると、アナログ局舎は鉄塔を挟んで奥と右側に設置されていました。

 


鉄塔の銘板です。アナログ時代のものです。
 


テレビ中継局のすぐ横に正体不明の黒い建物があります。何なのか不明です。(テレビ中継局とは無関係では?) 角度を変えて2枚。
 


中継局前から見た風景です。

それと、当中継局の近隣には、地元コミュニティFM(はっとエフエム)の豊里中継局が設置されています。
当該ページをご覧ください。

 

中継局データ

アナログ(豊里) NHK総合 NHK教育 TBC OX MMT KHB
チャンネル 60ch 62ch 47ch 45ch 41ch 39ch
出力 各局とも 10W

当中継局では、NHK−G・Eがアナアナ変更の対象でした。変更前のチャンネルはGが29ch、Eが27chです。

宮城県のアナログテレビ放送は2012年3月31日をもって終了しました。


デジタル NHK総合 NHK教育 TBC OX MMT KHB
チャンネル 39ch 46ch 40ch 42ch 44ch 47ch
リモコン
出力 各局とも

当中継局ではアナログ放送終了後、NHK−G・Eの2つのチャンネルでチャンネルリパックが行なわれました。
変更前のチャンネルはGが51ch、Eが53chでした。


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