送 信 塔 見て歩き
秋田県 ・ 中継局


寒風山テレビ中継局  2009年8月撮影

男鹿半島の中間部に寒風山という標高355mの山があります。この山に地上デジタル放送単独の中継局が設置されたということで、
NHK第2放送の送信所訪問などと合わせて見てきました。

当中継局の開局は、NHKが2008年12月、ABSは2009年3月です。他の民放2社は開局していません。


ここが山頂です。(東側から)

少し下の駐車場から歩いて登ります。徒歩5分です。

 


山頂に到着です。 ん、売店・展望台はありますが、奥に見える鉄塔は行政系か??。 2枚合成。
テレビ中継局は、どこ??。

中継局は山頂にあるものとの思い込みで訪れたところ、確かに山頂には鉄塔はあるものの、行政系のものだけでテレビ中継局は見当たりませんでした。

 


中継局があるとすれば、交通の便などからこちら側になるはずですので、山頂から駐車場方向を眺めてみました。
しかし、駐車場で、その向こう側のふもとがよく見えません。

そこで、駐車場まで下りて、ふもとを見回します。

 


駐車場のはずれから見た南方向です。

これか?、 これも業務用無線局ですね。

 


これか?、ついに発見しました。上記画像の駐車場の左側です。

一つ上の画像の通り、山頂展望台からは駐車場の陰で中継局が見えません。(実のところ、若干焦りました。)

戸賀中継局の後の訪問で、西側から登ったのが災いしました。東側から登れば道路からすぐに発見できたと思われます。

 


この画像は、寒風山の隣の「姫ヶ岳」からの撮影です。

中継局を拡大しました。「寒風山レストハウス」の近くにあるようです。

 


ちなみに、上記画像は、この画像の右側の頂(いただき)からの撮影です。 窪んでいるところは、火口でしょうか。(この画像は寒風山山頂からの撮影です。)


お待たせしました。ここからが本題です。寒風山中継局を紹介します。


寒風山の山頂から下って行くと正面に現れます。

 

全景を角度を変えて2枚。 駐車場から一段下がった草むらに設置されています。

 

鉄塔の全景と送信アンテナの拡大です。送信アンテナは、4L3段2面です。 

 

局舎を角度を変えて3枚。

 


表札です。 ん、何かシールが貼ってあります。

シールを拡大しました。ABSは、補助事業で建設したようです。

また、表札の下部に妙な空欄があります、AKTとAABもそのうち入るのでしょうか?。

 

受信アンテナです。 プレートパラボラが2基と平面アンテナ(?)です。

 


送信アンテナと上段のパラボラです。

下段のパラボラと平面アンテナです。

2.4mプレートパラボラはNHKのもので、2基セットで黒森山固定局をTTLダイバシテイ受けです。
平面アンテナは、ABSの五城目中継局放送波受けです。

 


プレートパラボラの銘板です。

平面アンテナの銘板です。

平面アンテナが秋田市の方向を向いていないと思ったら、銘板の周波数から受信チャンネルが39chですので、五条目中継局受けです。
でもなぜ?、大森山は見通しなのに・・・。謎が増えました。
また、NHKのパラボラも大森山ではなく黒森山なのかも謎です。(こちらは、海上伝搬を避けたのかもしれません。)

 


GPSです。3基あります。

モニターアンテナです。

鉄塔の銘板です。これにはNHKアイテックがありません。誰が建てたのでしょうか?。

ここで、ちょっとブレーク

寒風山中継局の設置について、なぜここに中継局が必要なのか、現地に行って疑問を感じました。

サービスエリアが大森山基幹局と大部分重複しています。また、なぜ開局がNHKとABSのみなのか。

そこで、ネット上に参考資料がないか探したところ、大森山基幹局のチャンネルのうちNHK2波とABSが新潟・弥彦山から発射されている
チャンネルと同一で、気象条件などの要因で混信することあると分かりました。

これで、ABSの親局が基幹局ではなく、五条目中継局になっている理由も分かりました。

要するに寒風山中継局は、混信が発生する3チャンネルのみ開局させ、渋るABSには補助金を出したと みるべきでしょう。
新潟波の混信がなければ必要がない中継局です。

NHKでも、弥彦山との混信に気付いて、周辺の地デジ中継局を急ぎ整備しているようです。

なお、同じような現象が富山県内で石川県の地デジ(金沢基幹局)を受信した時にも発生します。(体験済み)
しかし、こちらは区域外受信になりますので対策はとられていません。ただ、秋田ではエリア内で問題になっていますので、
元々のチャンネルプランに無理があったことは確定です。

夏場などに現れる電波状況を考えずに、UHF電波の届く距離を見誤ったのは間違いないでしょう。
逆に思わぬ形で、区域外受信を阻止できたともいえますが・・・。

NHK秋田のWebサイトでは、上記の件について説明しているページがあります。
http://www.nhk.or.jp/akita/channel/reciving_digital.html

このページでは、チャンネルプランの変更にも触れています。なお、2009年8月時点の情報です。  リンク切れの際は、ご容赦ください。



中継局越しに見た大潟村方向です。 合成

 


デジタル中継局横の駐車場からは、NHK第2鉄塔が見えます。
上記画像の左側の樹木の隙間の拡大です。



山頂から見た大潟村方向です。 当中継局のエリアでもあります。  合成

 


上記画像の中央部を拡大しました。 真ん中にNHK第2放送所が見えます。


山頂の展望台の付近にあるアンテナを紹介しておきます。なお、所属等は一部未確認です。

一番左は、警察庁寒風山無線中継所です。

 


山頂の表示と三角点があります。 それぞれを拡大しました。

山から下りてきました。


東側のふもとから見た寒風山です。 中継局は左側の平坦な部分(目立つ赤い建物の左上方)です。 山麓のかなり低い地にあるのが分かります。

 


上記画像の左側の平坦な部分を拡大しました。 中央に中継局の鉄塔が見えます。



男鹿半島の入口には、大きな「ナマハゲ」がお出迎えです。 正面に寒風山も見えます。


ところで、ここで寒風山の説明です。

寒風山は、別名・妻恋山や羽吹風(はふかぜ)山とも呼ばれているそうです。そして火山です。頂上付近に新旧2つの火山跡が見て取れます。
歴史を紐解くと、最後の噴火は「文化7(1810)年」となっています。(200年以上沈黙を守っています。)

寒風山と云う山の名前の由来は、北東から吹きつける寒い季節風からのようです。


最後に風景画像をどうぞ。


「板場の台」からの風景です。大噴火口全体を見渡せます。 合成

 


「姫ヶ岳」から見た風景です。 中央下に見える駐車場の辺りは妻恋峠と呼ばれています。 合成

 


「板場の台」の別の位置から。

道路が一直線です。

 

中継局データ

デジタル NHK総合 NHK教育 ABS
チャンネル 28ch 14ch 30ch
リモコン
出力 各局とも 3W

AKTとAABは、開局の予定は無いようです。


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