送 信 塔 見て歩き
北海道 (測量山)


室蘭 テレビ・FM 基幹放送所

北海道・室蘭地区のテレビ・FM基幹局は、室蘭市街に近い太平洋に突き出した地形の測量山山頂部にあります。
放送所・中継局は狭い山頂部にひしめきあっています。山頂近くでは道路がぐるっと一回りして、NHK放送所前まで車で登れます。


NHK室蘭テレビ・FM基幹局 & FM北海道中継局  2011年6月撮影、
NHK渡島中継局併設            下方にF様提供の1998年、2007年、2013年、2017年画像もあります。

NHK基幹局は道路の終点にあります。鉄塔は2本あります。局舎屋上のものは、アナログ総合テレビと新たにデジタル
用が追加されたようです。(以前の状態を知りませんが、手元の資料から想像するに、スーパーターンを上げで、空いた
下部にデジタルアンテナを取り付けたのでしょうか。)
また、地面に建っているものは、アナログ教育テレビとFM2波用です。さらには、この教育・FM鉄塔の下部に南向き2面
の双ループアンテナが設置されています。

この双ループは、函館放送局の渡島デジタル中継局のアンテナです。(アナログ放送でも噴火湾に面し函館山からの
電波が受信できない地域では、測量山からの電波を受信するのが一般的なようです。)ということは、その地域では
アナログ放送は、本来の函館放送局の番組ではなく室蘭放送局の番組を見ていたことになります。(同じ北海道です
ので、番組はそれほど違わないと思います。)デジタル放送では、きっちりと区別したようです。

それと、このように区別した結果、本来の室蘭デジタル総合テレビは北側に指向性を付け、かつ出力を室蘭
基幹局と渡島中継局とで半々にしたようです。教育テレビは全国放送扱いですので、全方向同一番組です。
(教育テレビの渡島中継局はありません。)

室蘭基幹局のデジタルアンテナはG・E共用で、見ただけでは、どのようなエリア設定なのか分かりません。
(D−Paのエリアマップでは、きれいにエリア分けされています。多分、Gの南側は配線されていないのでしょう。)
なお民放は、北海道全域が同一エリアですので、きれいに映る方向へアンテナを向ければOKです。
また他の基幹中継局ではUHBに同居しているFM北海道は、測量山ではNHKに同居しています。


 

 


局舎です。


アナログ総合&デジタル鉄塔です。

 


ロゴです。

表札です。

 


山頂から見た全景です。

アンテナ部です。

 


アナログ総合&デジタルアンテナです。

20m鉄塔です。

 

 


続いて、アナログ教育&FMアンテナです。


 


35m鉄塔です。

 


局舎から長いラックが延びています。

教育テレビとNHK−FM&FM北海道の3波共用スーパーターンです。
 

続いて、函館放送局 渡島中継局です。

最初にも触れましたが、噴火湾の西側沿岸地域は行政区分では渡島支庁(現在の名称は渡島総合振興局)で、
NHKの管轄は函館放送局エリアです。しかしながら、付近にはテレビ中継局がなく、湾の向こうの測量山にある
室蘭基幹局を受信しています。
室蘭基幹局ですので、番組は室蘭放送局のものです。デジタル化に際しては、この地域に向けた渡島中継局が
併設され、函館放送局の番組が視聴できるようになりました。(2007年10月開局です。)

鉄塔の下のほうに6段のアンテナが隠れるように付いています。

 


山頂近くの車道から撮影。

拡大しました。

 


鉄塔を見上げてみました。

パラボラがあります。

多分、函館山に向いているものと思われます。

函館山からのTTLかと思っていたら、その後の調査で、函館放送局 → 城岱(しろたい)固定局 → 測量山のルートと分かりました。


ところで、渡島中継局を受信している地域(主に八雲町の噴火湾沿岸)では、時々、画面が映らなくなる現象が現れていました。
(室蘭基幹局の他のチャンネルには、そのような現象はなかったようです。)

原因を調査していくうちに、中継局の延長線方向にある同一チャンネルの浦河中継局のNHK−Gが、電波状態により
混信することが分かりました。(出力が1/10、距離が2倍以上離れています。)
そこで、渡島中継局では18chから29chへチャンネルリパックをすることになりました。

この件については、「八雲町のHP」に詳しい経緯が説明されています。(2013年6月現在)

※ デジタル波は干渉すると、目的の電波が強く入感していても全く映らなくなり厄介です。 この現象は、石川・新潟の基幹局間でも
気象条件等で発生し、富山県内ではアンテナを金沢に向けているにもかかわらず、一部のチャンネルを除き石川波が映らなくなります。


F様から2013年6月撮影の新アンテナの画像が届きましたので紹介します。

今までの低い位置から鉄塔上部へ設置場所を変更するようです。また、形式は6段から4段にするようです。

 

 


2013年10月下旬の撮影です。

下段にあった旧チャンネルのアンテナは撤去されました。

 


局舎上の鉄塔に戻ります。


こちらは、局舎屋上のパラボラです。

鉄塔中間部には、FPUとお天気カメラがあります。

 


室蘭市・F様より1998年撮影の総合テレビアンテナ更新工事と2007年4月撮影のデジタルアンテナ設置工事の
画像提供を受けましたので紹介します。

まずは、1998年撮影の総合テレビアンテナ更新の様子です。


こちらは、工事前の鉄塔の様子です。

こちらは、更新後の鉄塔です。

 


局舎屋上での新アンテナ組み立ての様子です。

 

 


アンテナ工事中は、教育&FM鉄塔に3段双ループの
仮アンテナを付け放送していたとのことです。

上記画像は、左画像の部分拡大です。

 


続いて2007年4月撮影のデジタル化工事の様子です。


デジタルアンテナ取り付け直前のようです。
 

 


拡大しました。
 

 

 


こちらは、FM鉄塔に再び取り付けられた
双ループ仮アンテナです。

 


最後は、デジタル化前後のアンテナ比較です。


1998年 F様撮影

2011年 当方撮影

アナログテレビ放送が終了して2年半、NHK放送所でもFMと共用していない 9ch(総合テレビ)STの撤去工事が
2013年11月中旬より始まりました。工事は、 2週間ほどで終わるようです。

 


工事看板です。


11月末までにST撤去作業が完了しました。

鉄塔の高さが少し低くなり、先端部には避雷針が取り付けられています。

 


新たな情報です。

NHK室蘭放送局では、57年ぶり(と云うことは初めて?)の FM送信アンテナ更新(取り替え)工事が2017年夏に行われました。

F様より、工事中の仮設アンテナと完成後の画像が届きました。いつもありがとうございます。


FM鉄塔の全景です。

仮設アンテナの拡大です、双ループ3段です。

仮設アンテナは、アンテナ更新時の定位置であるFM鉄塔中間部に設置されています。7月後半撮影
この時点では、STは取り換え前です。

 


取り換えられた新アンテナです。 8月中旬撮影

完成しました。 9月上旬撮影

 


全景です。9月上旬撮影

NHKの放送休止情報を確認すると、8月20日深夜(21日未明)に4時間電波を止めていますので、この時に新アンテナへ
切り替えられたと思われます。 当然のことながら、周波数や出力に変更はありません。

 

ただ、同じST形式ですので、どこが変わったのか分かりづらいです。 当方撮影の過去の画像と見比べてみます。


2017年撮影

2011年撮影

んー、避雷針が違うぐらいでしょうか。

旧アンテナ取り外しの映像は、当日のNHKニュースでも取り上げられていたとのことです。
また、室蘭放送局のHPでもアンテナリニューアルについて、簡単に紹介されています。(2017年9月時点)

 

放送所データ

アナログ  

チャンネル

出力(映像)

テレビ NHK総合

9ch

1KW
  NHK教育

2ch

1KW

アナログテレビ放送は2011年7月24日をもって終了しました。


   

周波数

出力

FM放送 NHK−FM

88.0MHz

250W
FM北海道

89.4MHz

250W

アナログテレビ放送は2011年7月24日をもって終了しました。


地上デジタル放送 

チャンネル

リモコン 出力
NHK総合 24ch 500W
NHK教育 16ch 1KW
 
NHK総合 渡島中継局 29ch 500W

渡島中継局では、2013年8月から10月にかけてチャンネルリパックが行われ、18chから29chへ変更になりました。


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