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沖縄県 ・ 中継局
埼玉県 F様提供の画像です。


石垣テレビ・FM中継局  2013年9月、2020年9月撮影

石垣テレビ・FM中継局は、石垣島のバンナ岳(標高232m)の山頂部にある大規模中継局です。

バンナ岳は石垣市街地の北側にある山で、一帯は公園として整備されているとのことです。山頂近くには展望台もあり道路も整備されており、
中継局へは簡単に行けるようです。

当中継局は、アナログではQABは開局していませんでしたが、デジタルでは全社開局しています。

デジタル化は、NHKが2008年12月、民放は2009年10月です。(民放の開局が遅れたのは、伝送ルート上で不具合が発生し、問題解決に
時間がかかったためと云うことです。)

石垣島には、もう一局、川平(かびら)テレビ中継局があります。 別ページで紹介しています。(遠景画像のみです。)


ここで、アナログ時代の設備の説明です。

NHKと民放2社は局舎は別々ですが、鉄塔(30m高)は共用でした。送信アンテナは、NHKは2波共用の2L3段4面、
民放は2社共用の6L2段1面+6L1段2面+6L3段1面という方向ごとに段数が違っていました。(先端に民放、中間にNHKです。)

受信は、NHKは2波共用の2mプレートパラボラで於茂登岳FX受け(予備に12素子八木で平良中継局受け)、民放は4mグリッドパラボラで
多良間中継局受け (約100m離れた場所に予備のグリッドパラボラもあるようです。3mグリッド?)


南側から見た全景です。


 

さらに、別角度から2枚。

 


以下の3枚は、2020年9月撮影の画像です。

 

 

 


それでは、中継局別に紹介します。(風景もあります)
 

NHK テレビ・FM中継局 民放3社共用テレビ中継局 いしがきサンサンラジオ送信所
 
於茂登岳(遠景) 石垣島の風景

 


石垣島より先(西側)の中継局について

石垣島より先には、テレビはあと3局、ラジオはFMが1局、中波番組FM中継局が2局あります。

テレビは、西表島の祖納(そない)中継局、与那国島の与那国中継局と内道(うちみち)中継局です。
このうち「与那国中継局」は日本最西端の中継局です。番組中継ルート順では、与那国中継局を親局とする「内道中継局」が終着点です。

ラジオ中継局は、FMではNHKの与那国中継局、中波番組をFMで放送する中継局は、NHK・民放とも祖納と与那国の2中継局です。

ここで、石垣島から先の番組中継ルートについて触れておきます。


まずは、アナログ時代の設備・ルートです。

NHK・民放とも「川平→祖納→与那国→内道」のルートです。

「祖納中継局」では、NHKは川平中継局の放送波をG,E個別に8素子八木2列で受けています。民放は共用の3mグリッドパラボラで
川平中継局放送波受けです。
送信アンテナは、VHFのNHKは5素子八木で出力30W、UHFの民放は6L1段3面+4mグリッドパラボラで出力100W。
(民放の4mグリッドパラボラは、与那国中継局へ送るためのものと思われます。)

「与那国中継局」では、NHKは祖納中継局に併設の固定局からのマイクロ波を2mプレートパラボラで受けています。(2波共用)
また、予備にGは川平中継局の放送波を、Eは石垣中継局の放送波をそれぞれ12素子八木2列で受けています。
民放は祖納中継局放送波を2社共用4mグリッドパラボラで受けています。約100m離れた場所には予備の3mグリッドパラボラ(祖納受け)もあります。
送信アンテナは、どちらも4L1段2面、出力はUHF 10Wです。

「内道中継局」では、NHKは2波共用の16素子リングアンテナ2列で、民放は2社共用の12素子リングアンテナ1列で、どちらも与那国中継局
放送波受けです。
送信アンテナは、どちらも8素子リングアンテナ2段2面、出力UHF 0.1Wです。


続いて、ラジオの中継ルートです。

NHK−FM与那国中継局は、石垣中継局を親局とする放送波受信です。 宮古島までは、NTT回線で来て 平良→石垣→与那国 の
各中継局順で放送波中継です。

また、祖納と与那国の中波番組FM中継局は、NHKは石垣を含め各中継局へは直接NTT回線で送っています。
民放2社の中波番組FM中継局は、沖縄県の資料によれば『宮古島までは沖縄県の海底ケーブル、そこから中継局のある伊良部島(宮古中継局)、
多良間島、石垣島へは多重無線回線、祖納中継局と与那国中継局へは、石垣中継局の放送波受信』となっています。


最後にデジタルテレビの中継ルートです。

デジタルテレビの伝送は、鹿児島奄美地区と同様に UHF−TTLが沖縄県先島地区でも採用されています。

宮古島から先島諸島へのNHKデジタルの伝送ルートは、「平良(宮古島)」→放送波→「多良間」→UHF-TTL→
「石垣」→放送波→「川平」→UHF-TTL→「祖納」→UHF-TTL→「与那国」→放送波→「内道」です。

また、民放デジタルの伝送ルートは、「平良(宮古島)」→放送波→「多良間」→UHF-TTL→
「石垣」→放送波→「川平」→放送波→「祖納」→UHF-TTL→「与那国」→放送波→「内道」です。

NHKと民放で違う部分は、川平→祖内 の部分です。

 

各中継局のデジタル設備は、

「多良間中継局」では、全社とも平良中継局の放送波をNHK2波と民放3波がそれぞれ共用4mグリッドパラボラ2基によるダイバシティ受信です。
送信アンテナは、NHKは2波共用4L1段2面 0.1W、民放も3社共用4L1段2面 0.1Wです。

「石垣中継局」「川平中継局」は、各ページをご覧ください。

「祖納中継局」では、川平固定局を全社5波共用3mグリッドパラボラ2基によるダイバシティUHF−TTL受けです。
送信アンテナは、NHKは2波共用6L1段3面 1W、民放は3社共用4D2段3面 1Wです。。

「与那国中継局」では、祖納固定局を全社5波共用4mグリッドパラボラ2基によるダイバシティUHF−TTL受けです。
(民放側では、さらに約100m離れた場所に3mグリッドパラボラを設置しているとの情報もあります。)
送信アンテナは、NHKは2波共用4L1段2面 1W、民放も3社共用4L1段2面 1Wです。

「内道中継局」では、与那国中継局の放送波を全社5波共用16素子リングアンテナで受信しています。
送信アンテナも全社5波共用8素子リングアンテナ2段1面 0.01Wです。

先島地区のデジタル中継局の開局は、NHKは多良間中継局が2008年12月、その他の中継局が同時に2009年4月。
民放は、全局同時に2009年10月です。

 

中継局・送信所データ

アナログ NHK総合 NHK教育 RBC OTV
チャンネル 9ch 12ch 30ch 28ch
出力 V・Uとも 1KW

QABは、アナログでは中継局を設置していません。

アナログテレビ放送は2011年7月24日をもって終了しました。

NHK−FM   76.1MHz  100W

先島地区ではFM沖縄は、中継局を設置していません。

<コミュニティFM>
いしがきサンサンラジオ  76.1MHz  20W 


デジタル NHK総合 NHK教育 RBC OTV QAB
チャンネル 26ch 24ch 33ch 35ch 36ch
リモコン
出力 各局とも 100W

埼玉県のF様、画像提供をありがとうございました。


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