送 信 塔 見て歩き
宮崎県 ・ 中継局
kz様提供の画像で紹介します。


延岡テレビ・FM中継局  2016年9月撮影

宮崎県延岡市は、大分県に隣接する宮崎県で一番北部にある市です。延岡中継局は、延岡市の中心部の南側にある愛宕山
(標高251m)の山頂部にあります。
また、山頂の北東側には展望台があり、そこからは市街地や海岸線が一望できるとのことです。

そんな中、各社の鉄塔は、山頂付近の平坦な場所に、ほぼ東西に並んで建っています。
当中継局は、宮崎県北部の中継局の元締めとなっており、開局も古く基幹局並みの規模です。


まずは、かつてのアナログ中継局の説明です。
当中継局の開局は、NHKでは総合と教育で時期が異なり、Gは1960年10月、Eは1963年12月です。MRTは1961年4月、
UMKは1970年9月です。(なぜ、GとEで開局が異なるのかは未確認です。) それはともかく、老舗局は1960年代前半の
開局ですので、チャンネルはVHFです。
また、FMの開局は、NHKが1965年3月、FM宮崎が1984年11月です。

各社個別に中継局を設置しています。(FM宮崎はNHKに同居)

NHKでは、GとEの開局時期が異なるためか送信鉄塔が別々です。(VHFチャンネルが離れていてアンテナを共用できません。)
アンテナはGがST12段、EはST8段です。FMは、EのST8段を共用しています。
MRTの送信アンテナはST12段、UMKは6L2段3面+6L1段1面の構成です。
FM宮崎のアンテナは、単独でNHK教育テレビ鉄塔にあり、テレビアンテナの下に2L3段4面が取り付けられています。

受信は、NHK−Gは約70m離れた地点で8素子八木2列、Eは送信点で8素子八木2列、MRTは送信点で90CRと予備に
8素子八木、UMKは送信点で2.4mグリッドパラボラです。全局、鰐塚山受けです。(鰐塚山は標高が高いので、ずいぶん
遠くまで電波が飛んでいますね。)
また、NHK−FMは送信点で5素子八木2列、FM宮崎も送信点で5素子八木にて、両局とも鰐塚山受けです。

2007年5月にデジタル化されました。

それと、少し離れたところにある愛宕山公園の駐車場西側には、地元コミュニティFM局「FMのべおか」の送信所があり、
U型3段のアンテナから電波を出しています。(グーグルストリートビューで見ることができます。)

kz様が訪問された時には、NHK鉄塔で工事中だった、とのことです。

それでは、現在の様子を中継局ごとに紹介します。



まずは遠景です。 左からUMK、NHK−FM&FM宮崎共用、NHKデジタル、少し離れて MRT2本 です。


NHK・FM宮崎 共用中継局


全景を中継局前と山麓からの2枚。 3社の鉄塔の中で中央にあります。

 

こちらは、デジタル鉄塔(旧総合テレビ鉄塔)です。鉄塔は局舎の上に乗っています。

デジタルアンテナが、突き出したように取り付けられています。アナログ時代には、総合テレビのST12段も付いていましたが撤去済みです。

 

デジタルアンテナの拡大です。

STがあった時には、デジタルアンテナ上部に支えのアームが延びていたようですが、今は自立しています。
また、アナログ時代からST側にエレメントがありませんでしたが、撤去された今も3面のままです。


番組伝送は、デジタルもアナログと同様に鰐塚山放送波受けです。

また、当中継局には固定局が併設され、北浦・入郷・日向西郷へTTL伝送しています。
(入郷と日向西郷は、同一方向のため1基のパラボラで2局へ送信。 2基とも1.2mプレートパラボラです。)

さらに、中波ラジオの固定局も併設され、鰐塚山からのSHF波を延岡ラジオ中継局と、VHFに変換して高千穂固定局経由で
高千穂ラジオ中継局へ番組を伝送しています。


デジタル鉄塔下部のパラボラです。

同じく鉄塔上部のパラボラです。

鉄塔下部の画像に写っている4mグリッドパラボラは、約250m離れた南側山麓にある4mグリッドパラボラとセットで
ダイバシティ受信をしています。(約250m離れた場所にあるパラボラは、グーグルの航空写真で確認できます。)

グリッドパラボラの下には、用途不明の大小2基のパラボラもあります。

鉄塔上部のパラボラは、上から、こちら向きのパラボラは日向西郷・入郷向きTTL送り、左側の向こう向きのパラボラは
北浦向きTTL送り、右向きのパラボラは鰐塚山向きですが用途が分かりません(中波ラジオの番組伝送受け?)、
5素子八木アンテナは高千穂ラジオ固定局向き番組伝送用、と思われます。

 


北側から見たパラボラです。
上段は上記で説明した北浦向きTTL送り、下段は延岡ラジオ中継局向き番組伝送用と思われます。

鰐塚山向きのプレートパラボラは2基でダイバシテイ受信をしている可能性もあります

なお、FM受信八木は、どこにあるのかハッキリしません。(鉄塔下部か地面にあるものと思われます。)

 


局舎です。 壁面上部にロゴもあります。

局舎壁面に看板があります。

 

こちらは、NHK−FM(旧教育テレビ共用)とFM宮崎の共用鉄塔です。
現在、上部でFMと思われるSTの取り付け工事中です。

工事中の場所には、アナログ時代には教育テレビとNHK−FM共用のST8段がありました。

この時点でSTが片側だけ4段取り付けられています。ゲイン塔を拡大して観察すると、あと2段取り付けられるようです。

 


こちらは、下段のFM宮崎(+NHK−FM?)の送信アンテナです。

工事中と云うことは、今NHK−FMは、どのアンテナから出ているのでしょうか。(仮アンテナも見当たらないので、)
消去法で自動的にFM宮崎と共用になりますが・・・?。
工事のためだとしても、NHKが民放FMのアンテナに後から相乗りは珍しいことと思われます。)

 

地面には取り外されたと思われる部材と、今から取り付けると思われるバッドウイングがあります。

こちらは、取り外されたSTでしょうか。

 


円筒は、以前のゲイン塔でしょうか。短く切ってあります。

これは、今から取り付けるSTでしょうか。

ところで、この工事、NHK−FMのアンテナ更新なのか?。 それとも予備免許が出ているMRTのFM補完中継局のアンテナ設置なのか?。
はたまた、これらの複合工事?。

いろいろ考えられますので、今後の展開を待とうと思います。(入札情報なども調べましたが分かりませんでした。)


MRT中継局


全景です。3社の鉄塔の中で東寄りにあります。新旧2本の鉄塔があります。

MRTでは、デジタル化に際して局舎隣に専用の鉄塔を建てました。また、アナログ終了後、ST12段は撤去され、
現在、旧アナログ鉄塔はゲイン塔が無い状態で、そのまま建っています。
(単にSTを取り外しただけでなく、ゲイン塔自体を撤去しています。)

MRTでは延岡にFM補完中継局を開局のために8月に予備免許が出ています。ゲイン塔を残していれば、STを再度
取り付けるだけでよかったのに、余計な手間がかかる状態になっています。

愛宕山公園を紹介しているHPの画像を見ると2013年3月時点ではSTが付いています。

ここに、もう一度STが付くのか、NHK鉄塔で行われている工事がそれなのか、結果が楽しみです。

 

まずは、旧アナログ鉄塔から見ます。

旧アナログ鉄塔は局舎の上に乗っています。
携帯電話らしいアンテナと八木アンテナがありますが、放送の送信には使っていないようです。

 


当中継局には、中波ラジオの固定局が併設されています。
ラジオ番組伝送用と思われる八木アンテナです。

小さなパラボラが2基、FPUと長距離無線LANのようです。
この黒いパラボラは、鰐塚山でも見かけました。

固定局では、鰐塚山からのVHF波を受けて、延岡ラジオ中継局と高千穂固定局を経由して高千穂ラジオ中継局へ番組伝送しています。

 

続いて、デジタル鉄塔です。

全景を角度を変えて2枚。

 


送信アンテナの拡大です。4L3段3面+4L2段1面の構成です。

鰐塚山放送波受けグリッドパラボラです。

鉄塔のパラボラは、高い位置にあるため小さく見えますが4mです。

 


鉄塔基部です。

局舎です。

デジタル鉄塔は、局舎のすぐ横に地面から建っています。 また、アナログ時代には、局舎屋上にVHFの大きな90CRが乗っていました。

 


表札があります。

 


地面に建つ3mグリッドパラボラです。予備受信アンテナです。

送信用のTTLパラボラは見当たらないので中継局への番組伝送は、すべて放送波と思われます。


UMK中継局


3社の鉄塔の中で西寄りにあります。 (左の鉄塔です。)

 


鉄塔上部です。

鉄塔を見上げてみました。

 


送信アンテナです。

別角度から。

送信アンテナは、デジタル化時にアナデジ共用タイプに交換されました。構成は変わらずに、6L2段3面+6L1段1面です。
アンテナ下部に空きがありますが最初からです。(アナログアンテナ跡ではありません。)

理由は、分かりませんが、延岡中継局では3社のデジタルアンテナの形式・構成がバラバラです。
特にNHKは3面ですので、明らかに電波の飛びが違うと思われます。しかし、A−PAB(旧 D−pa)の「放送エリアのめやす」を
見ると、NHKと民放に表示の違いはありませんでした。 エレメントが無いのは、海側だから影響はないのでしょうか。

 


高い位置の受信パラボラです。

ここにも受信パラボラがあります。

鰐塚山からの放送波受信は、上下2基の4mグリッドパラボラによるダイバシティ受けです。
鉄塔下部にあるパラボラを見逃しそうです。

 


局舎です。入口の上に表札があります。

 


鉄塔下部です。

鉄塔に銘板があります。アナログ時代の内容です。

長いラックが延びた先にもう一棟局舎があります。携帯電話会社のもののようです。

UMKでも送信用のTTLパラボラは見当たらないので中継局への番組伝送は、すべて放送波と思われます。

 

中継局データ

アナログ NHK総合 NHK教育 MRT UMK
チャンネル 4ch 2ch 6ch 39ch
出力 250W 250W 250W 1KW

アナログテレビ放送は2011年7月24日をもって終了しました。

NHK−FM   87.0MHz  100W
FM宮崎     89.5MHz  200W


MRT FM補完中継局  94.7MHz  100W  2017年開局予定


デジタル NHK総合 NHK教育 MRT UMK
チャンネル 46ch 45ch 44ch 43ch
リモコン
出力 各局とも 100W

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