送 信 塔 見て歩き
熊本県 ・ 中継局
匿名希望様提供の画像で紹介します。


玉名テレビ中継局  2013年10月撮影

玉名中継局は、熊本市の北隣、玉名市横島町の外平山にあります。(外平山は横島山とも呼ばれているようです。)
外平山の読み方については複数あり、どれが正しい(すべて正しい?)のか未確認です。総務省の報道資料では、「ほかびらやま」になっています。


「外平山」は、江戸時代には横島という有明海に浮かぶ島だったそうです。島の周囲を干拓し、陸地を広げていったそうです。
干拓は1967年まで幾度となく行われ、現在では陸地が有明海側へ大きく広がっており、外平山は内陸部に位置しています。
当地域は、基幹局のある金峰山から近距離ですが、間の山地に電波が阻まれ難視聴の場所があるようです。

当中継局はアナログ時代には、TKUは「玉名」、他の4社は「天水」と別々の名称が付けられていました。名前が違うのは、放送エリアが
少し違うためと思われます。

一方、2009年8月に開局したデジタル中継局では、全社が「玉名」と名乗っています。これは2005年に天水町が合併で消滅し、
一帯が玉名市になったためと思われます。


ここで、アナログ中継局の説明です。

当中継局は、TKU(30ch→50ch)とKAB(32ch→43ch)がアナアナ変更でチャンネルが変更されました。

以下は、アナアナ変更前の状況です。
当中継局は、1976年9月に、まずNHK総合が開局し、続いて11月にTKUが開局しています。RKKが開局したのは1982年1月です。
そしてKKTが1988年1月、KABが1997年7月に開局しました。
NHK教育が未開局なのと、RKKより先にTKUが早い時期に開局していることに興味を惹かれます。

こういう流れから局舎・鉄塔はTKUは単独で、後の各社はNHKと共用です。(KABは鉄塔のみNHKと共用。局舎と送信アンテナは単独です。)

まず、単独のTKUから説明します。40m四角鉄塔に送信アンテナは、4L2段2面です。受信は1.8mグリッドパラボラで金峰山受けです。
ここは、かなり大規模な中継局です。

続いてNHKです。11m鉄塔に送信アンテナは6L1段1面です。受信は8素子八木で金峰山受けです。
RKKはNHK局舎に同居し、送信アンテナも共用、受信は8素子八木で金峰山受けです。
KKTもNHK局舎に同居し、送信アンテナも共用、受信は90CRで金峰山受けです。
KABはNHK局舎に機器が納まらなかったのか局舎は単独、送信アンテナも単独でNHK鉄塔の先端部に6L1段1面が付いていました。
(チャンネルの関係で共用できなかったのかもしれません。)受信は90CRで金峰山受けです。

また、状況がはっきりしませんが、NHKなどの既存共用アンテナは、鉄塔の鉄骨に直接取り付けられていたようです。(現在と同じ状態)

ここで注目なのは、TKUが40mの高い鉄塔から2面で送信していたと云うことです。

地図を見ますと、NHKなど4局は送信点から見て南東(金峰山と同じ方向)の旧天水町側へのみ送信し、TKUは、それに加え
北方向の旧玉名市側へも送信していたようです。(資料では、放送対象世帯はTKUが約3800に対して、他の4社は約2000で
サービスエリアが違うのが分かります。)

デジタルでは、NHKに同居していた民放3社はTKU側へ移動しました。TKUアナログ局舎は大きいので、民放3社はデジタル局舎を新築せずに
同居することにしたようです。一方、NHKは単独で、デジタル局舎・鉄塔を新築しています。

撮影時点ではアナログ設備が両中継局とも、そのまま残っているようです。

それでは、画像で紹介します。


まずは、NHKなど4局の旧アナログ中継局です。


全景です。

鉄塔の拡大です。

 

先端部と中間部(鉄骨最上部)に送信アンテナがあります。アナアナ変更以前の様子を残しているようにも見えますが、
構成が変わっているのかもしれません。サイマル期間中のアンテナ構成が気になります。

 


8素子八木は、それぞれNHK−GとRKKの親局受信アンテナです。

 

90CRは、それぞれKKTとKABの親局受信アンテナです。(角度を変えて2枚。)

 


モニターアンテナがあります。普通の家庭用アンテナのようです。

 


局舎は2棟並んでいます。

 


NHKなど3社の局舎です。

表札です。

 


KAB単独の局舎です。

表札です。

 


続いて、NHK単独のデジタル中継局です。


デジタル中継局は、アナログ中継局の隣です。(奥がデジタル鉄塔です)

 

送信アンテナは1面のみ。パラボラが2方向を向いています。受信は基幹局からのTTLのようです。また、玉東中継局へTTL送信しているようです。

 


玉東向きのTTLパラボラの拡大です。

 

デジタル局舎を角度を変えて2枚。GPSも見えます。

 


表札です。

鉄塔の銘板です。

 


最後は、TKUアナログ&民放デジタル中継局です。


鉄塔に大きな社名ロゴがあります。
鉄塔の様子です。角度を変えて2枚。

 


鉄塔先端部の様子です。

 

先端部の4D(?)3段2面は、TKUのアナアナ変更後のアナログアンテナと思われます。 (未確認です。)
その下にあるのは、携帯電話でしょうか。

 

アナログ受信アンテナの1.8mグリッドパラボラが残っています。 別角度から2枚。

 

鉄塔中間部にある双ループ1面は民放4社共用のデジタルアンテナと思われます。
また、サイドローブアンテナはデジタル受信のもののようです。4社共用(放送波受信)と思われます。(裏に鳥の巣がありますね。)

 

民放デジタルではTKUアナログ局舎を継続使用です。

 


看板です。デジタルのものになっています。(アナログ時代に看板があったかは未確認です。)

 

ところで、総務省発表のエリア図や地デジ予備免許概要では、TKUのデジタルでのサービスエリアは他社と同じになったようです。
アンテナの高さも、NHKは上がり、民放側は下げたように見えます。
(対象世帯数は全局とも、約3400です。)

 


鉄塔中間部にも、携帯電話と思われるアンテナがあります。


アナログ時代にNHK教育が開局していなかったこと、RKKの開局が遅かったこと、それに(これが一番重要)TKUだけ送信アンテナが2面の理由に
ついては確認できていません。何か特殊な電波事情でもあるのでしょうか?。

 

中継局データ

アナログ NHK総合 RKK TKU KKT KAB
チャンネル 53ch 55ch 50ch 58ch 43ch
出力 各局とも 10W

NHK教育テレビは、開局していませんでした。

アナログテレビ放送は2011年7月24日をもって終了しました。


デジタル NHK総合 NHK教育 RKK TKU KKT KAB
チャンネル 28ch 24ch 41ch 42ch 47ch 49ch
リモコン
出力 各局とも 1W

©2013 送信塔見て歩きWeb