送 信 塔 見て歩き
長崎県 ・ 中継局
匿名希望様提供の画像で紹介します。


厳原テレビ・FM中継局

厳原(いづはら)中継局は玄界灘の北方、九州と朝鮮半島の間に浮かぶ対馬にある中継局です。
中継局の設置場所は、長い島の南側、対馬市厳原北里にある権現山です。

対馬は、行政区分では長崎県に属していますが交通の便などから、経済・生活の結びつきは、福岡県のほうが強いとのことです。
放送の面でも、NHKテレビは現在では、長崎局が親局ですが、開局当初は福岡局の電波を中継していたとのことです。
(長崎局の番組へ変更後も保守・管理は引き続き福岡局が担当しているようです。これは交通の便によるものと思われます。
なお、対馬は長崎県ですので、取材は長崎局の担当です。)

当中継局は、1962年8月にまずNBCが開局しています。同年9月にはNHK−Gも開局しました。(資料では2日違いに
なっています。)
その後、1964年1月にNHK−E、1977年9月にKTN、1990年3月にNCC、1992年1月にNIBが順次開局しています。
また、NHK−FMも1969年3月に開局しています。

NBCが長崎からの電波を繋いでいるのに対し、NHKが福岡局を親局にしたのは、対馬では、元々福岡からの電波が届いて
いたためのようです。(生活実態とも合わせて、費用のかからない方法を選んだのかもしれません。)

中継局は、NHK単独、NBC・NCC・NIBが共用、KTNが単独の組み合わせで山頂部に集まっています。南北に長い対馬の
南側に中継局が位置するため、各局とも北方向へ電波を強く出しています。
(ただし、エリア図を見る限り、山があるのか、それほど北側へ電波が飛んではいないようです。)

また、親局を遠距離受信するため、各社とも大きなパラボラを2か所に設置して万全を期しています。(NHKは、複数の
親局で対応)

デジタル中継局はアナログ局舎を継続利用し、同じ組み合わせで設置されています。


ここからは、かつてのアナログ中継局の説明です。(設備が複雑で文章が長くなります。スミマセン。)

まずはNHKです。
テレビ送信アンテナは、2波個別(上段がG)に90CR5段1面+90CR2段2面(垂直)です。送信鉄塔は高さ30mの三角柱です。
受信は約650m離れた地点で4mグリッドパラボラ(共用)にて郷ノ浦受け、予備に約750m離れた地点で、Gは12素子八木2列、
Eは8素子八木2列にて佐世保受けです。

NHK−FMは35m四角鉄塔から送信アンテナは2D5段1面+2D2段2面(垂直)です。
受信は、送信点にて5素子八木2列で佐世保受けです。2002年1月に送受信アンテナを更新しているようです。

ところで、福岡局から長崎局のネットワークへ親局を変更した時期が特定できませんでした。
1973年版のNHK年鑑によりますと、厳原中継局の親局を佐世保局から郷ノ浦局へ変更(佐世保局は予備で残る)の記述が
あります。このことから考えて1970年代はじめには、すでに長崎局のネットワークに組み込まれていたものと思われます。
(この項目は、静岡県のK様より情報をいただきました。ありがとうございます。)

また、福岡局を受けていた時代の受信設備についても資料を確認できませんでした。

次にNBC・NCC・NIB共用中継局です。
鉄塔は27m四角柱です。送信アンテナは、NBCはNHKと同じ形式です。NCCとNIBは共用で、90CR8段1面+90CR2段2面
(垂直)です。なぜか、設置位置は平成新局の8段が上です。(下段に取り付けられず、支柱を伸ばしたのでしょうか?)
受信は、NBC単独とNCC・NIB共用に分かれて、それぞれ2か所で受けています。第一ポイントは送信鉄塔、
第二ポイントは中継局から約100m離れた場所にあります。形式は、すべて4mグリッドパラボラで郷ノ浦受けです。

最後にKTNです。
鉄塔は27m四角柱です。 送信アンテナは、90CR8段1面+90CR2段2面(垂直)です。
受信は、4mグリッドパラボラです。場所は第一ポイントが送信点から約160m、第二ポイントが80m離れた所で郷ノ浦を
受けています。

FM長崎は、中継局を設置していません。

デジタル中継局はNHKが2008年12月に、民放4社は2009年4月に、それぞれ開局しています。


対馬では、この厳原中継局が唯一デジタル化されたテレビ中継局です。これはケーブルテレビが島内に整備され対象エリアの
全世帯が加入したことで、中継局の設置が不要になったためようです。
また、これに連動してアナログ放送も全国より半年早く、2011年1月24日をもって廃止されました。

また、そのケーブルテレビでは、長崎各局はもちろん、TVQを含め福岡民放の再送信もしています。
厳原中継局のエリアでも、直接受信で見ている家庭がどれだけあるのか、少し気になりました。


ヤフーの航空写真 (2014.11現在) を見ると、山頂付近に各中継局を確認できます。また、その南側には樹木が細長く伐採
されている所があり、受信パラボラがあるように見えます。
撮影時期ははっきりしませんが、設備の様子からアナログ・デジタルサイマル時代と思われます。
(グーグルの航空写真は解像度が足りませんでした。今後に期待します。)


それでは、画像でデジタル中継局を紹介します。

画像を見ると、各社ともデジタルで使用しなかったアナログ設備は解体・撤去済みのようです。

NHK中継局です。


全景です。

局舎です。

 

局舎のすぐ横にデジタル鉄塔、少し離れてFM鉄塔があります。(テレビとFMは別鉄塔からの送信です。)
局舎はアナログ時代からの継続のようです。

 

デジタル鉄塔を角度を変えて2枚。鉄塔は、三角柱ではないので新築されたようです。

  

送信アンテナはデジタルでは、双ループタイプに変わっています。角度を変えて2枚。

形式は、4L5段1面+4L2段1面+4L2段2面です。

 

FM鉄塔と送信アンテナです。

 


局舎と鉄塔を繋ぐラックです。

鉄塔にM社の高性能UHFアンテナ(家庭用)があります。

パラボラとは反対の北に向くUHFアンテナは何を受信しているのでしょうか。対馬には、他にUHFを出す局はないはずですが・・・。
もしかして、韓国波?

 

鉄塔の銘板と借用票です。借り主は福岡放送局であると確認できます。

ヤフーの画像では、局舎の北側に三角鉄塔があります(屋上からラックが延びています。)これが旧鉄塔と思われます。


NBC・NCC・NIB共用中継局です。

鉄塔と局舎です。

設備はアナログ時代からの継続と思われます。建物屋上の鉄塔には、さらに上に伸びてアナログアンテナがあったものと思われます。
デジタルアンテナは、取り付け位置が低いです。送信アンテナの形式は4D2段2面+4D1段1面です。

 

送信アンテナを角度を変えて2枚

 


鉄塔の下部です。GPSも見えます。

局舎引き込み部です。

 

グリッドパラボラはアナログからの継続でしょうか?。上方にループ(?)アンテナも見えます。

上がNCC、下がNBCです。NBCは離れた場所にもう1基あるようです。

 


プレートパラボラもあります。NIBのものらしです。離れた場所にもう1基あるようです。

 


南側山麓にある、別のパラボラです。
手前がNIB、奥のグリッドパラボラはNBCと思われます。
さらに、サイドローブアンテナがあるように見えます。これは、NCCの予備でしょうか。


KTN中継局です。

全景と送信鉄塔の拡大です。

 

送信アンテナは、デジタルでも90CRです。 90CRが縦に8個も並んでいると壮観ですね。
(NBC中継局では13個並んでいたのですね。見たかったーーー。)

ところで、こちらの鉄塔は送信アンテナの形式がアナログ時代と同じの上、塗装が剥げて使い古したように見えるため、
アナログからの継続利用か判断を迷うところです。
アナ・デジの送信チャンネルも2chしか離れていないため、兼用が可能ですし・・・。ヤフーの画像を見てもサイマル時代に
別の鉄塔は無いようです。

以上の点から考えて、継続利用と思われます。

 


奥に局舎があります。

表札です。

 


送信鉄塔には、垂直八木もあります。
送信鉄塔の隣にパラボラ鉄塔があります。ダイバシティで郷ノ浦受けTTLと思われます。また、GPSもあるようです。

 


鉄塔の銘板です。

 

中継局データ

アナログ NHK総合 NHK教育 NBC KTN NCC NIB
チャンネル 5ch 11ch 9ch 22ch 18ch 16ch
出力 V・Uとも 300W

アナログテレビ放送は2011年7月24日をもって終了しました。

NHK−FM  82.6MHz  100W

FM長崎は、中継局を設置していません。


デジタル NHK総合 NHK教育 NBC KTN NCC NIB
チャンネル 36ch 49ch 28ch 20ch 52ch 45ch
リモコン
出力 各局とも 30W

かつて対馬にあった厳原中継局以外のアナログテレビ中継局の名称とチャンネル番号は次の通りです。

南厳原 NHK−G NHK−E NBC KTN
チャンネル 52 54 46 60
出力 各局とも 3W

佐須奈(さすな) NHK−G NHK−E NBC KTN
チャンネル 53 51 49 55
出力 各局とも 3W

対馬伊奈 NHK−G NHK−E NBC KTN
チャンネル 46 48 40 42
出力 各局とも 3W

志多留(したる) NHK−G NHK−E NBC KTN
チャンネル 60 62 58 56
出力 各局とも 0.1W

比田勝(ひたかつ) NHK−G NHK−E
チャンネル 43 45
出力 各局とも 3W

これらの中継局では、NCCとNIBは開局していませんでした。また、比田勝局は、NHKのみの開局でした。


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