送 信 塔 見て歩き
山口県 ・ 中継局
山口県のU様提供の画像で紹介します。


長門テレビ・FM中継局  2012年4月から2013年4月にかけて撮影、後半 2016年3月、2017年8月、2018年5月撮影

長門中継局は、山口県長門市日置上(へきかみ)の矢ヶ浦山山頂(標高279m)にあります。
長門市の国道191号沿いの地域と萩市西部をサービスエリアにしています。2007年10月にデジタル化されました。


遠景です。中央の左からテレビ(デジタル)、FM(元NHKアナログ)、FM AQUAです。

U様からいただいた情報によりますと、当中継局は、アナログ時代には韓国波の混信により出力UPや指向性の変更が
されているそうです。
また、デジタル時代になってからもチャンネルリパックがありました。その他、中継ルートの変更やFMでも変更があり、
なかなか落ち着かない中継局のようです。


アナログ時代の説明です。

当中継局の開局はNHKは1965年2月、KRYは1966年9月、TYSは1971年1月、YABは1993年9月です。
FMはNHKが1967年12月、FM山口は1986年8月です。
1960年代の開局と云うことで、NHKとKRYはVHF波での送信です。

中継局の組み合わせは、NHKとFM山口が共用、KRYとYABは局舎は別々で鉄塔を共用、TYSにはコミュニティFMの
FM AQUAが同居していました。(FM AQUAの送信鉄塔は独立です。)

2013年4月時点で、アナログ中継局は、FMと共用していた局舎・鉄塔以外は、すべて撤去済みだそうです。

アナログ時代の設備は複雑です。
アナログ終了時のVHF局の送信アンテナはNHK、KRYとも3素子八木1段2面(垂直偏波)出力10Wでした。VHF局の開局当初の
送信アンテナは、3素子八木3面 ・ 出力3Wでしたが、韓国波との混信が理由で、NHKは1990年3月に、KRYは1995年3月に
増力と送信パターンを変更しました。

受信親局はNHK−Gは大井庄屋局(4mグリッドパラボラ受け)、NHK−EとKRYは萩局 (NHK−Eは8素子八木2列受け、
KRYは5素子八木2列受け)でした。
(NHK−Gは1982年3月に親局を萩局から変更しています。なお、萩局受けも予備として残してありました。←8素子八木2列)

UHF局の送信アンテナは、どちらも6L1段2面、受信は個別に3mグリッドパラボラで萩局受けでした。(なお、YABは、萩局の
延長線上にあるNKT浜田局がデジタルで萩局アナログと同じ31chで開局することなにり、受信障害の発生が予想されたため、
2005年ごろに親局を豊田局に変更したそうです。)

デジタル化に際しては、全社共同で局舎・鉄塔を新築しました。

FM中継局の設備は、画像で説明します。


それでは、旧アナログ設備であるFM中継局から紹介します。

NHK−FM、FM山口 中継局


全景です。

アナログ時代には、送信鉄塔のさらに上方にG,E2基の3素子2面八木が付いていました。(上がG)

 


送信アンテナです。(どちらも垂直偏波)
上がNHKのダイポール、下はFM山口の2面八木です。

銘板が8枚も付いています。
こんなのは、初めて見ました。

FM山口の長門中継局は、当初は81.6MHz 出力3W、アンテナはダイポール1段でしたが、同じFM山口の美祢中継局が
隣接周波数の81.5MHzで開局したことにより受信障害が発生したため、2000年7月に現在の周波数および出力に変更されました。

また、NHKは1993年2月に送信アンテナを更新しています。

 

銘板を拡大して紹介します。(上からです。)

 


看板です。

表札は、元々FM山口のものしか無かったようです。

 


NHKの受信アンテナです。

FM山口の受信アンテナです。

NHKのお天気カメラ(HD)もあります。

親局は両社とも萩中継局です。(どちらも5素子八木2列です。)


全社共用デジタル中継局


送信アンテナは、6L1段2面です。

局舎です。

当中継局は、デジタルTTL固定局の役目もあり、鉄塔のパラボラアンテナは、上からNHK宇津賀局向け送信用、豊田局(華山)受信用、
萩局(田床山)向け送信用です。

KRYの伝送は、なぜか豊田局を放送波受けです。そのため、萩局へもここからは送っていません。
KRYの萩局への伝送ルートは大平山放送波受けです。
受信アンテナは、2016年の画像で紹介します。(下方です。)

 


表札です。

鉄塔の銘板です。

GPSです。

当中継局では、2012年1月から2月にチャンネルリパックが行われました。対象は、NHK2局で、Gが61ch→41ch、Eが58ch→45chに変わります。

銘板は開局当時のもので、リパック前の表示です。


FM AQUA 送信所

FM AQUAは、長門市に本社を置く 「株式会社エフエムながと」が運営するコミュニティFM局です。


全景です。 元TYSアナログ中継局の局舎です。

送信アンテナは、2段ダイポールです。

番組伝送は有線です。

なおアナログ時代は、TYSの送信アンテナと受信パラボラは、局舎上にあった支柱式鉄塔に取り付けられていました。
また、扉の右側に表札、局舎に向かって右壁面にtysロゴがありました。


U様より2016年3月撮影の画像が届きましたので紹介します。

その前にFM補完中継局についての説明です。

KRYでは2015年6月に、まず大平山からFM補完中継局が開局しています。そして同年11月末には美祢FM補完中継局が開局し、
長門FM補完中継局は、2016年1月から試験電波を発射しており、4月に開局の予定です。(当初の予定より遅れているようです。)

当中継局は、隣接の美祢中継局と周波数が同一で、デジタル技術を利用した初めてのFM同期中継局とのことです。
また、周波数が86.4MHzで、最近よく耳にするようになったワイドFMの周波数とは異なり、90MHz以下の通常のFM放送の周波数が
割り当てられています。
これは、開局の目的が外国電波の混信対策によるもので、都市雑音や災害対策目的とは異なるためと思われます。(FM補完中継局は、
その目的によって割り当てられる周波数が、90MHzを境にして異なるようです。)

それでは、画像で紹介します。


全景です。

局舎です。

FM補完中継局は、テレビ中継局の跡地に新築されました。

 

美祢FM補完局受信アンテナもあります。
受信パラボラは、ダイバシティ受信のようです。対向先は周南市北部にある石ヶ岳固定局とのことです。
このほか鉄塔には、モニターアンテナやGPSも付いています。

GPSを用いて、中波の同期放送を はるかにしのぐ精度で同期させているものと思われます。

 


表札です。

鉄塔の銘板です。

 



こちらは隣接地にある、KRYの豊田局受けのオフセットパラボラ2列です。
FM補完中継局の新築工事で樹木が伐採され、よく見えるようになったとのことです。

真ん中奥の鉄塔は、デジタル中継局です。



三角点があります。


U様より2017年、2018年撮影の現状画像が届きました。紹介します。


遠景です。2017年8月撮影

 


拡大しました。2017年8月撮影

 

以下は、日付のないものは、2018年5月撮影です。

全社共用デジタル中継局


鉄塔です。

送信アンテナです。

 


局舎です。

表札です。

 


パラボラです。

モニターアンテナです。

GPSです。

 


デジタル銘板です。 これのみ2015年1月撮影

銘板は、この時点でも当初のチャンネルのままです。かなり古くなってきています。


KRY FM補完中継局


全景です。

鉄塔の拡大です。

 


2016年3月撮影

2018年5月撮影

パラボラ部の比較です。1基増えています。

 


増えたのは、萩中継局への番組伝送用TTLパラボラです。

モニターアンテナです。

 

中継局データ

アナログ NHK総合 NHK教育 KRY TYS YAB
チャンネル 8ch 12ch 10ch 21ch 19ch
出力 10W 10W

10W 30W 30W

アナログテレビ放送は2011年7月24日をもって終了しました。

NHK−FM  83.5MHz   3W
FM山口    89.4MHz  20W
KRY−FM  86.4MHz  20W

FM AQUA(コミュニティFM局)  87.8MHz  20W


デジタル NHK総合 NHK教育 KRY TYS YAB
チャンネル 41ch 45ch 42ch 46ch 47ch
リモコン
出力 各局とも

30W

デジタルの送信出力はアナログUHFと同じ30Wです。実質10倍の増力です。

なお、NHK−GとEは、デジタル化当初のチャンネルはGが61ch、Eが58chでした。(上記、銘板参照 チャンネルリパック)


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