送 信 塔 見て歩き
和歌山県 ・ 中継局

匿名希望様提供の画像で紹介します。


和歌山FM基幹放送所・海南テレビ中継局  2017年1月撮影
WBS FM補完中継局

和歌山県のFM放送基幹放送所は、テレビの甲山とは別の海南市・岩屋山にあります。
なお、和歌山県では通常の民放FM局は開局しておらず、設置されているのはNHKのみです。

ここには、海南テレビ中継局も併設されています。(テレビ中継局が先に開局していますので、FM基幹局が併設されている
と、書くほうが正確かもしれません。)
さらに地元中波ラジオ局の和歌山放送(WBS)のFM補完中継局も 2016年5月に開局しました。

当HPでは、FM基幹局で最後まで残っていた和歌山基幹局の紹介となります。画像提供をありがとうございます。


まずは、かつてのアナログテレビ中継局とFM基幹局(現用)の説明です。

NHKと民放5社は、別々に中継局を設置しています。
開局は、NHKは1965年3月、大阪民放4社は同時に1968年11月、WTVは1974年4月です。
また、NHK−FMの開局は1970年4月です。

NHKの設備は、送信アンテナは2波共用6L1段4面。受信は、G が3mグリッドパラボラにて和歌山基幹局受け、
E が8素子八木2列にて生駒山受けです。
また、FM放送は、送信アンテナが2L2段4面、受信は2mプレートパラボラは和歌山放送局ルート、予備に5素子八木にて
生駒山受けです。

民放の設備は、6L1段4面が2セット、上がKTV・YTV共用、下がMBS・ABC・WTV共用です。
受信は、大阪民放4社が個別の12素子八木2列2段にて生駒山受け、WTVが3mグリッドパラボラにて和歌山基幹局受けです。

当中継局では、アナアナ変更が行われたようです。詳細は不明です。

2006年12月にデジタル化されました。

それでは、現在の様子を画像で紹介します。


ふもとから見た全景です。NHK・民放とも、規模の大きな中継局です。


NHK FM放送所・テレビ中継局

全景です。角度を変えて2枚。

 


さらに別角度から。

 

デジタルテレビアンテナです。 角度を変えて2枚。

 

FMアンテナです。 角度を変えて2枚。

 

ところで、上記画像のテレビアンテナの下、FMアンテナの上の場所に気になるものを見つけました。

ふもとからの画像の拡大とデジタルアンテナ下部の拡大です。

この画像では確定的なことは言えませんが、当中継局にはデジタルテレビの予備アンテナ(非常用)も取り付けられているようです。

 

局舎です。角度を変えて3枚。

 

番組伝送は和歌山基幹局に併設の木ノ本固定局からのTTL受けです。(上記画像の左向き 3mプレートパラボラ)
3mパラボラの奥にFM受信用の2mパラボラがあります。 微妙に角度を変えて2枚。

また、海南中継局にも固定局(岩屋山固定局)が併設されており、有田(箕島)中継局、下津中継局へTTL伝送しています。
(有田箕島向けは2mプレートパラボラ、下津向けは1.2mプレートパラボラ → 上記画像のこちら向きパラボラ)
和歌山基幹局併設の固定局名が木ノ本なのは、放送会館にある固定局名が和歌山のため(WTVも同様)
その他、当中継局は付近の中継局の親局(放送波受け)にもなっています。

 


小型パラボラもあります。素材伝送用と思われます。

生駒山向きのFM受信アンテナです。

 


GPSとテレビモニターアンテナです。

FMモニターアンテナです。

 


表札です。

看板です。アナログ時代のままです。

 

本局舎横にFPU専用の局舎があります。あまり見かけない局舎構成です。表札もあります。

 


敷地が広く空いています。

アナログ教育テレビの受信アンテナ跡のようです。


民放中継局


全景です。

 

鉄塔の様子を角度を変えて2枚。

 

送信アンテナです。角度を変えて2枚。

デジタル化に際してのアンテナ設置工事は、住友電設のHPによると「スリーブアップ工法」で行われたとのことです。

これは、下からスリーブ柱を継ぎ足し延伸する工法で、大型クレーンが不要のほか、放送を休止する必要がないため昼間の工事も
可能とのことです。 http://www.sem.co.jp/news/news/news22.html

現在の様子を住友電工のHP画像と見比べると、上段にあったアナログアンテナ2基は、撤去済みと分かります。

 

鉄塔には、2基の2mプレートパラボラがあります。

下段は、受信パラボラです。和歌山中継局併設の固定局からのTTL受けです。

上段は、併設の固定局から有田中継局へのTTL伝送用です。(どちらも5社共用)

 

局舎です。角度を変えて2枚。

 


モニターアンテナです。

 

続いて、FM補完中継局の設備を見ます。


WBSのFM送信アンテナです。

モニターアンテナです。

通常のFM放送よりも周波数が高いため素子が少し短いです。

 


新築のFM局舎です。 発電機も見えます。

FM放送の表札です。

表札には、WBSの名前が無く「県和歌山FM」になっています。

何のことかと思い、ネット上を調べたところ、このFM補完中継局は和歌山県が整備し、それにWBSが乗っかっているようです。

和歌山県が出した「防災・減災FMラジオ中継局整備設計業務特記仕様書」には、県庁南別館にも放送設備を置き
WBS本社までのIP伝送と、さらに中継局までのIP伝送、アンテナ選定にあたっては既設鉄塔の補強を要しない設計、
非常用発電機は設備全体を5日以上稼働できる設計などと書かれています。


民放局舎横には、海南市が設置した大気汚染監視のテレメーター局があります。

 

放送所データ

NHK−FM         84.7MHz  500W

 

中継局データ

アナログ NHK総合 NHK教育 MBS ABC KTV YTV WTV
チャンネル 50ch 52ch 54ch 58ch 60ch 62ch 56ch
出力

各局とも

30W

当中継局では、2003年3月にアナアナ変更が行われたようですが、詳細は不明です。
なお、上記チャンネルはアナアナ変更後のものです。

アナログテレビ放送は2011年7月24日をもって終了しました。

WBS FM補完中継局  94.2MHz  500W


デジタル NHK総合 NHK教育 MBS ABC KTV YTV WTV
チャンネル 23ch 13ch 16ch 15ch 17ch 14ch 20ch
リモコン 10
出力

各局とも

3W

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