送 信 塔 見て歩き
富山県 ・ 中継局


越中平テレビ中継局  2003年11月、2007年6月、9月、12月、2013年10月撮影

越中平中継局は、南砺市(旧平村)の下梨地区を見下ろす山の上にあります。旧・平村地域をサービスエリアとしています。

最初に中継局の説明です。
開局は、NHKが1968年10月、KNBとBBTが1978年11月、TUTが1992年12月です。NHKと民放の2グループに
分かれて設置されています。
送信アンテナは、NHKは個別のST1段(上段が教育テレビ)、民放3社は共用2L1段2面です。受信は、NHKは
約1.2km離れた場所で、Gは8素子八木2列、Eは12素子八木2列にて富山基幹局受けです。
民放3社は4mプレートパラボラにて高坪山反射板経由で福光固定局SHF受けです。(KNBは1992年8月に
今のルートに変更しています。)

当中継局は、デジタル化されずアナログ終了とともに廃局になっています。


中継局へは、舗装された林道が通っているので簡単に行けます。NHKと民放3社は、チャンネルがVHFとUHFに
分かれています。 2007年6月に再訪問し、写真を追加・差替えしました。

また、2007年秋に行われた、ワンセグ実験について、下方に掲載しました。

2013年10月に訪問すると、民放中継局は撤去されていました。(NHKは、まだ残っていました。)
最下部をご覧ください。


中継局から見た、南方向です。ここに向けて電波が出されています。
中央に流れているのは、「庄川」です。

 

  
庄川を間に挟み対岸から撮影。 2枚とも2003年11月撮影。
中央の山の頂上付近にあります。           左記と同じ場所から望遠で撮影。

 

  
2003年11月                       2007年6月
全景です。左・NHK。右・民放 です。中央には、GPがありますが使用目的は不明です。
ほとんど変化はありませんが、パラボラシートの張り具合が違います。詳しくは、下方をご覧ください。


NHK中継局  前半は、2003年11月 後半は、2007年6月です。

  
NHKの全景です。            局舎です。                トップ部です。
                       総合と教育は、別アンテナです。2chと11chでは、共用は無理でしょう。


以下は、2007年6月撮影のものです。 前回訪問時には、局舎前まで行きませんでしたので、改めて取材してきました。

    
全景です。民放側から撮影。        局舎です。NHK鉄塔下から。

 

   
局舎です。                  表札です。

 

   
見上げてみました。             ST送信アンテナです。

親局を受信するアンテナが見当たりませんので、別の場所にあるようです。機会があれば探してみます。

その後の調査で、NHKの富山基幹局受信アンテナは、約1.2km北方向に離れた山中にあることが分かりました。
付近の林道を探索すると杭がありました。(2010年8月調査)

なお、ケーブルが埋まっているルートと保守用の道は違うようで、現時点では確認に至っておりません。
また、手元の資料では、1996年にゴーストキャンセラーの機器を取り付けたことになっていますので、受信状況が悪化しているようです。


民放(KNB&BBT&TUT)中継局

   
全景を2枚。 この2枚は、2007年6月撮影。

 

   
トップ部です。              パラボラがありました。 この2枚は、2003年11月撮影。

 

  
上記のパラボラが向いている方向です。       パラボラの正面方向(国道304号沿い)から撮影。
2枚とも2003年11月撮影。


その後の調査で民放中継局にある4mプレートパラボラは、福光中継局のパラボラから発射されたSHF波を
上記写真の正面に見える「高坪山」山頂の反射板に反射させた電波を受信するためのものと分かりました。
(すなわち、これが越中平中継局の親局受信アンテナということです。)

1992年8月から、この反射板を利用するルートに放送経路が変更されています。同時に、利賀中継局は、越中平中継局を親局に変更しています。

この反射板は民放3社の設備で、NHKは離れた場所に富山基幹局を受信するアンテナを設置しています。なぜNHKが加わらなかったのかは謎です。

反射板については、ずっと下をご覧ください。


  
パラボラに銘板がありました。              という訳で、9月に撮り直してきました。
2007年6月撮影。ブレています。撮り直しです。

 

  
民放局舎です。 2003年11月撮影。         表札です。 2007年6月撮影。

 

  
局舎とアンテナです。 3枚とも2007年6月撮影。


4年前の訪問と大きな違いは、パラボラシートです。 写真の提供を受けましたので、まずご覧ください。

この写真は、2006年8月に撮影されたものです。

前年の冬は、豪雪で「ひさし」の部分が重みで壊れたものと思われます。


写真の提供、ありがとうございました。

 

   
現在(2007年6月)は、修復済みです。破れていたところもテープ(?)で補修してあります。

また、針金か何かで、「ひさし部分」を吊っているようです。


ここからは、反射板についてです。まず、パラボラが向いている高坪山です。

  
山を拡大しました。                    さらに拡大です。
この2枚は、2003年11月撮影のものです。

右の写真をよく見ると、山頂部に四角いものが見えます。これが反射板と思われます。
今まで、気付きませんでした。


という訳で、2007年12月に望遠レンズで撮影してきました。


まずは、パラボラと高坪山です。

 


越中平中継局から見た、山頂部です。

 

  
上記写真をさらに拡大しました。            こちらは、国道304号線来栖付近から。

 


2008年5月に高坪山へ登り、反射板を見学してきました。
この写真は、高坪山山頂から撮影した「国道304号線来栖付近」です。
中央上方の、ちょうど車が1台走っているあたりから右上の写真を撮影しました。

高坪山の反射板のページを設けました。こちらからどうぞ。


ところで、越中平中継局は、上平中継局の親局でもあります。ということは、越中平中継局から上平中継局が
見えるのではないかと、撮影を試みました。 2007年6月撮影。

   
一番先頭の写真と同じ、南方向です。         左記写真の左上を拡大しました。写真中心から
                                 やや下に、白い点が見えます。

 

   
さらに拡大しました。2本の鉄塔が確認できました。        2007年9月撮影。
ただし、上平中継局から、平側が見えなかったので、
最終確認は取れていません。2007年6月撮影

2007年12月に、平中継局から少し下がった国道304号線来栖付近からの撮影で、上記写真のものは
上平中継局と確認できました。上平中継局のページも合わせて、ご覧ください。


ところで、北陸総合通信局では、「共聴/ケーブル地域におけるにワンセグのあり方に関する検討会」
というものを設置し、電波にて地上デジタル放送をしない地域向けにワンセグ放送を送る方策について
検討しています。

その中で、2007年8月から11月にかけて、越中平中継局の設備を利用して各種実験が行われていました。
実験自体は、平日に行われていたようで、当方は実験中の放送波そのものは受信できませんでしたが、
期間中、越中平中継局の様子を何度か見てきましたので報告します。

  
2007年6月時点の様子です。当然ながら、ワンセグ実験用の設備はありません。
当方も、そんな予定を知らずに撮影していました。


続いては、9月下旬の様子です。そろそろ、実験が始まる時期です。

  
鉄塔中段に、南西向きのUHF八木アンテナが付いています。

 

  
ラックの支柱に東向きのUHFアンテナもあります。利賀中継局に富山デジタル基幹局を中継する設備を
設置していたようです。これは、利賀中継局受けのアンテナと思われます。


続いては、10月末の様子です。

  
中段にあった南西向きの八木アンテナが上部に移動しています。

 


東向きのアンテナも垂直に変わっています。


最後は、12月上旬の様子です。

  
2つのUHFアンテナは撤去され、元の状態に戻っていました。


取り付けられたアンテナの状態が、訪問のたびに変わっていました。
どのような実験が行われたかは、結果がまとまり次第、北陸総合通信局のサイトで公表されると思います。

現時点(12月上旬)までに、得ている情報では、東向きの八木アンテナは、利賀中継局経由での富山基幹局
受信アンテナ、南西向きのアンテナは、相倉地区向けの送信アンテナらしいです。(微弱電波に付き、家庭用の
受信アンテナを送信用に使っているようです。)

なお、上記写真と記事について、ワンセグ実験用のものだったかは、現時点では未確認です。


11月7日には、世界遺産に登録されている相倉合掌造り集落内で、公開実験が行われました。
公開実験の様子は、当日の県内ニュースでも取り上げられていました。

  
越中平中継局と、相倉集落の位置関係は、        当日のNHKニュース映像
こうなっています。越中平中継局の上方から当方が撮影。


2013年10月に訪問すると、民放中継局の設備はすべて撤去され、何もありませんでした。NHK中継局は、健在です。


今回、2013年10月撮影

比較のため掲載、2007年6月撮影

 

民放中継局の跡です。局舎と支柱があった場所はコンクリートで埋められています。

 


NHKのスーパーターンは、まだありました。

 

中継局データ

テレビ NHK総合 NHK教育 KNB BBT TUT
チャンネル 2ch 11ch 55ch 57ch 53ch
出力 3W 3W 10W 10W 10W

越中平中継局は、県内でも数少ないVHF中継局です。ほかには、「利賀」と「宇奈月大原」のみです。

アナログテレビ放送は2011年7月24日をもって終了しました。
当中継局は、デジタル化されずに廃局になりました。


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