送 信 塔 見て歩き
東京都 ・ 中継局


檜原テレビ中継局 2010年7月撮影

檜原中継局は東京都の西端に近い、檜原村・あきる野市の境にある臼杵山の山頂近くの尾根にあります。
(中継局の場所は檜原村側になります。)
放送エリアを東京都に限定されているMXテレビは、きめ細かいサービスが目的なのか、あるいは少しでも
視聴者を獲得したいのか、NHKも中継局を設置していない檜原村地域に中継局を設置しています。

中継局の開局は、1996年8月です。


今回は、梅雨明け当日の暑い中、登山を敢行しました。元郷バス停横の登山口からの出発です。

途中には、地元地区の共同テレビ受信基地や行政系の無線固定局もありました。道順に沿って紹介します。

登り始めて50分、テレビ受信基地と行政系の固定局に到着です。暑いのでペースが上がりません。
標高650m地点になります。平らな場所です。
左の画像は、登って来た側からの撮影、右の画像は、振り返っての撮影になります。

 

まずは、地元地区のテレビ共同受信基地です。(なお、その通りかは未確認です。)


VHFとUHFのアンテナがあります。

別角度から。

 

VHFは、ローチャンネルとハイチャンネルの2本です。また、UHFは、東京タワーではなく、TVKを受けているようです。
ん、と言うことはMXテレビは、檜原局をふもとで直接受信か??。機器は、マスプロ製です。

 

続いて行政系と思われる固定局です。少し離れて2箇所にあります。

左の画像は、テレビ受信基地のすぐ横にあるものです。
垂直八木が2方向を向いています。向きからみて、画像奥側の都心方向と画像左側の檜原村役場を
結んでいるものと予想します。また、電源は太陽電池です、パネルがあります。

右の画像の固定局は、所属・目的がよく分かりませんでした。こちらも電源は太陽電池です。


樹木に阻まれ、風景が見えない中、やや傾斜が急な獣道をひたすら登っていきます。

行政系(?)固定局から、さらに30分登って何か見えてきました。どうやら目的のテレビ中継局のようです。
東京MXテレビの檜原中継局は、登山道沿いにひっそりと建っています。
周囲は樹木に覆われ、展望はまったくありません。途中でも、1、2か所で風景が見えたのみです。

 


うっそうとした樹木で全景が撮影できませんので、4枚合成の画像で雰囲気をどうぞ。

 


局舎は2棟あります。手前が送信機器がある局舎です。

表札です。

 

上記画像の奥の局舎の表札です。送信系と電源系に局舎を分けているようです。

ところで、2つの局舎の間には、東京タワー向けのV・U八木とBSアンテナがあります。
しかし、他局も受信するアンテナの目的が、よく分かりませんでした。
東京タワーから約60Km離れていますので、エリア端での受信状態モニター用でしょうか。(他局から依頼されているのでしょうか?)

 

鉄塔を2方向から見上げてみました。鉄塔は、地面から建っています。
受信アンテナは2.4mグリッドパラボラ、東京タワー受けです。

 

送信アンテナは2L1段1面です。パラボラ方向が東京タワーですので、送信アンテナは、ほぼ西向きということになります。
「南郷」「人里(へんぼり)」、少し距離がありますが「数馬(かずま)」の各地区をエリアにしているようです。

 


バラボラの前面へ回れませんでしたので、代わりに
受信素子をどうぞ。

鉄塔に銘板がありますが、薄いのと
暗いのでよく分かりませんでした。

 

送信局舎にも銘板がありました。 電柱がなかったので、電力線は登山道沿いに埋まっているようです。
 

中継局は、標高が約790mの地点にあります。臼杵山は、標高842mですので、山頂へはまだ、約50m登る必要があります。
中継局取材が目的で疲労も激しく、ここで折り返そうかとも思いましたが、せっかくなので、少し休んで山頂まで登ることにしました。

以下は、ふもとから山頂までの道のりです。


都道33号線沿いの元郷バス停の登山口です。
 

まずは、草ボウボウです。掻き分けて進みます。
 

画像はなだらかな場所ですが、最初からかなり
急勾配です。

 


登りきったところに道しるべです。
まず、ここまで20分です。

まだまだ登ります。
 

登り始めて50分、第一現場の無線局です。
 

 


2か所にハイキングコースの案内がありました。
 
 

1つには、中継局も書いてあります。
 
 

何か見えてきました。MX中継局です。
途中の取材を含めスタートからここまで
1時間半です。

 


さらに登っていきます。別ルートとの
合流地点です。

ここにも、道しるべがあります。
一旦登り切ったところに神社があります。

MX中継局を出てから10分です。
 

 


最後の道しるべです。
 

山頂へ到着です。スタートから、取材時間を含め、
1時間50分の道のりでした。

ハイキング・登山系のWebサイトを見ても、臼杵山からの展望についてあまり記述がなく、途中の登山道からも、ほとんど風景が見えず、
風景を楽しめない山なのかと、少しあきらめながら山頂まで来ると、樹木が一部伐採され東方向の展望がまずまずでした。

以下は、神社から山頂にかけて所々で撮影した東方向(都心方向)の画像です。色々見えましたのでどうぞ。
なお、神社付近からは、西方向に富士山が見えるらしいのですが、当日は、雲が多く確認できませんでした。


すぐふもと方向です。あきる野市のどこかでしょうか

西武ドームです。

 


八王子市の中心方向です。

新宿の高層ビル群です。

 


ほぼ真東方向です。右側は新宿です。左寄りに何か見えます。

 


上記画像の左側です。

さらに拡大。建設中の東京スカイツリーです。

東京スカイツリーは、帰宅後撮影画像を確認したところ、山頂部だけではなくMX檜原中継局の少し下の木立の間からも見えていました。

 


中央は、六本木ヒルズです。そのすぐ右には、
東京タワーも薄く見えます。

 

その他、多摩地区のテレビ中継局もいくつか見えました。


画面中央やや下の2つ並んだタンクの右に
永山デジタル新局がある東京ガス鉄塔です。

こちらは、確認が取れていませんが、中央の
タワーは多摩中継局のKDDIと思われます。

 

さらにこんな物まで、見えました。


奥は、東京湾です。対岸の千葉側も見えている
ような気がします。

左画像の左隅を拡大しました。ヨットの帆のようなものは、
東京湾アクアラインの「風の塔」です。

 


山梨県の中央道・上野原ICで降りて、甲武トンネルコースで檜原村を訪問しました。

 


今回の取材では、登山口のすぐ近くにある「檜原村観光協会」様のご厚意により、
駐車場をお借りしました。ありがとうございました。

 

中継局データ

MXテレビ
チャンネル 62ch
出力 3W

檜原テレビ中継局は、MXテレビ単独設置です。また、デジタル化は予定されておらず、アナログ終了時に廃局になりました。


アナログ終了後の訪問記です。(2015年10月)

ふもとから登ること約1時間半、旧MX中継局が別の送信所になっていました。しかもMXテレビ中継局の時とは異なり、
周囲は樹木が切り倒され、スッキリしています。特に中継局の東側には樹木がなく、東京方面が丸見えです。

鉄塔・局舎は旧MXテレビ中継局の原形をとどめています。また、別に物置のようなロッカーがあります。
ロッカーからのケーブルが既存局舎経由でアンテナに繋がっています。ここに中継局側の機器があるようです。
(試験電波発射中につき、このロッカーから「ブーン」と云う、動作音がしていました。)

訪問前の予想では、予備アンテナと中継局では目的が違うので、送信アンテナは、予備送信所用と中継局用の2基
あると思っていましたが、東向きの2ダイポール3段1面の1基のみです。中継局の電波もこのアンテナから送信のようです。

なお、西方向にはアンテナがありませんが、出力が強力で反射器の網がスカスカなので、多分西側でも聴けると思われます。

鉄塔中間部にパラボラが2基付いています。1基はSTLと思われ、もう1つは通報装置用の携帯電話パラボラらしいです。
下向きで、ふもとに向いています。

また、既存の2つの局舎の間には、受信用の八木アンテナが縦に3基、東方向に向いています。素子の大きさや向きが
微妙に違うので、受信している局が複数あると思われます。
(1つは東京タワー、残る2基はスタックで青梅か八王子受けと推測します。)

そのほか、地面には発電機と直径1mぐらいのCSパラボラがあります。

訪問当日は、天気は良かったのですが、水平方向が霞んでいて、アンテナの方向が確認できず残念でした。
(パラボラと2ダイポールの向きは、ほぼ同じでしたので、東京都心向きと推定できます。)


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