送 信 塔 見て歩き
岩手県 ・ 中継局
Kz様提供の画像で紹介します。


宮古テレビ中継局  2015年5月撮影

宮古中継局は、宮古市重茂の月山(がっさん・標高 456m)山頂部にあります。宮古市中心部からは宮古湾を挟んで対岸の重茂半島に
位置しています。(月山は、御殿山とも呼ばれています。)

宮古市のHPによりますと、『頂上からは宮古湾、浄土ヶ浜、日出島、閉伊崎に向かっての重茂半島の海岸段丘、太平洋などが一望できます。
宮古市街地の奥には北上山地の山々、ひときわ高く早池峰山を望むことができます。』とあります。

なお、山頂ヘの登山道は、『台風の影響により現在通行止め』との記載もあります。(2017年10月時点の情報です。)


通常の状態では、月山へは山頂の すぐそばまで車で行くことができるそうです。

山頂近くの駐車場脇には、FM岩手と地元コミュニティFM共用の中継局・送信所があります。ここには、アナログ時代には、
テレビ岩手(TVI)の中継局も設置されていました。(と云うか、元々はTVI中継局でした。デジタル化で引っ越しました。)
ここから、徒歩で数分登って行くと各社のデジタル中継局があります。

それでは、最初にアナログ時代の中継局の様子です。
開局は、NHK−Gが1961年2月、NHK−Eが1962年6月、(なぜか、GとEでは開局時期が異なります。)IBCが1964年8月、
TVIが1970年10月、MITが1991年3月、IATが1996年9月です。
そしてNHKは単独、IBC・MIT・IATが共用、TVIはFM岩手と共用の3グループに分かれて設置されています。

送信アンテナは、VHFのNHK2波とIBCはST2段(NHKはGとEは別々)、UHFのTVI・MIT・IATが6L2段4面(MIT・IATは共用)です。
受信は、NHKは約90m離れた地点で2mプレートパラボラにて大槌新山固定局SHF受け、予備に送信点で8素子八木2列にて
釜石中継局受けです。(Gは1986年3月に、Eは1996年8月にそれぞれ固定局受けに変更したようです。)
IBCは12素子八木2列2段にて釜石中継局受け、予備に90CRもあったようです。(予備も釜石受け、どちらも送信点で受信)、
TVIは4mプレートトパラボラ、MITとIATは共用の4mプレートパラボラにて、3社とも釜石中継局受けでした。(いずれも送信点で受信)
(各社の受信設備を見ると、なかなか電波の厳しい場所のようです。)

2008年11月にデジタル化されました。

また、FMについては、NHKの開局は1967年3月 FM岩手は1985年9月です。NHK−FMはNHKテレビと同居、
FM岩手はTVIと同居です。アンテナ形式は、どちらも送信が3素子八木1段4面、受信は5素子木で釜石中継局受けです。
(NHKは約90m離れた地点で受信しています。FM岩手は送信点)

それでは、画像で現在の様子を紹介します。(画像は2015年5月撮影です。)


遠景です。


NHK・TVI共用中継局

デジタル化に際してTVIはNHKと同居しました。

全景です。角度を変えて2枚。

 


デジタルアンテナは、3波共用6L1段4面です。

各種八木アンテナです。

NHK−FMの送信アンテナです。

テレビ受信は、岩手テレビ全社共用の3mプレートパラボラが、約90m離れた場所にあり、光ケーブルにて信号を引っ張っています。
(大槌新山固定局受けTTLです。アナログテレビやNHK−FMの受信アンテナと同じ場所にあると思われます。)

また、当中継局には、中波ラジオの番組伝送用固定局が併設されています。
釜石固定局からの電波を受け、宮古ラジオ中継局と岩泉固定局へ伝送しています。FM受信アンテナは、離れた場所にありますので、
局舎屋上の八木アンテナは、すべて中波ラジオの固定局用と思われます。
それと、固定局の釜石受信ポイントは、テレビと同じ場所の可能性あります。

 

小型パラボラが2基あります。

 

局舎と表札です。

資料では、TVIはNHKと共用となっていますが、画像を見る限り、表札やロゴなどは無いようです。
 


IBC・MIT・IAT3社共用中継局

当中継局は、アナログ時代からIBC・MIT・IAT3社の共用中継局です。デジタルでも同じ組み合わせです。


全景です。

鉄塔の様子です。

送信アンテナは、3波共用6L1段4面です。

受信は、NHK中継局で説明した全社共用3mプレートパラボラです。光ケーブルにて引っ張っています。(大槌新山固定局受けTTLです。)

 


下段の向こう向き八木は、釜石固定局受け、上段の右向き八木は、
田野畑向きと思われます?

このパラボラは、岩泉向き?
ラジオ回線の一部がSHF化されたのかもしれません? 未確認です。

当中継局には、IBCラジオの番組伝送用固定局が併設されています。
釜石固定局からの電波を受け、田野畑ラジオ中継局と岩泉固定局へ伝送しています。

 


局舎です。

看板です。

 


FM岩手・みやこハーバーラジオ 共用中継局・送信所

最後に駐車場の脇にあるFM中継局です。かつては、TVIアナログ中継局も共用でした。


全景です。

鉄塔の様子です。

 


送信アンテナの拡大です。

コミュニティFMの送信アンテナを拡大しました。

鉄塔先端のU字型アンテナは、みやこハーバーラジオの送信アンテナです。

 

局舎を角度を変えて2枚。それと表札です。低い位置にあります。新しいものかもしれません。(一部モザイクを入れてあります。)

 

このボックスは、みやこハーバーラジオの局舎です。表札があります。

みやこハーバーラジオは、ここが本局で中継局も7か所あります。

鉄塔に携帯電話のエントラス回線に使われるようなパラボラがありますが、何なのかは未確認です。
みやこハーバーラジオのSTL??!!

 

中継局データ

アナログ NHK総合 NHK教育 IBC TVI MIT IAT
チャンネル 4ch 8ch 6ch 40ch 42ch 44ch
出力 75W 75W 100W 100W 100W 100W

IBCの送信出力が、なぜか同じVHF送信のNHKよりも大きいです。また、通常UHF出力はVHFの3〜4倍ですが、差が小さいです。
(IBCとは、同じです。)どんなエリア構成だったのか気になります。

岩手県のアナログテレビ放送は2012年3月31日をもって終了しました。

NHK−FM       83.5MHz 100W
FM岩手          89.3MHz 100W
みやこハーバーラジオ    82.6MHz  20W


デジタル NHK総合 NHK教育 IBC TVI MIT IAT
チャンネル 14ch 13ch 15ch 17ch 16ch 18ch
リモコン
出力 各局とも

20W

通常、デジタルの送信出力は、アナログUHFの1/10ですが、当中継局では実質増力されています。
アナログVHFと比べると、妥当かもしれません。


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