送 信 塔 見て歩き
青森県 ・ 中継局
「八戸市のO様」と「弘前市の弘前タワー様」提供の画像で紹介します。


西十和田テレビ中継局  2012年9月、2013年6月撮影など

当中継局の画像を2名様から提供をいただきました。ありがとうございます。

最初に八戸市のO様提供の画像です。O様の画像は、すべて2013年6月撮影です。

青森県の西十和田中継局は、黒石市中心部から南東方向へ約9kmほどの富岡山にあります。この山は、頂が2つあり、
テレビ中継局は北側の山頂です。(南側の山頂には行政系の反射板があるそうです。どちらの頂も標高は約500mですが、
公式の山頂は南側の頂ということです。)


ふもとからの遠景です。

 


中継局の全景です。

 


別角度からの画像を並べました。


当中継局は、まずNHKが1970年11月に開局し、続いて1974年11月にATV、、1978年12月にRAB、1994年8月に
ABAが順次開局しています。そして、2009年10月に全局同時にデジタル化されました。主に黒石温泉郷をサービスエリアに
しているようです。 (ここに限らず、難視聴エリアに温泉地が含まれる場合、中継局の設置が早いことが多いです。)ATVの
開局が早いのは、馬ノ神山からの電波が届きにく場所と想像します。

ATVの開局が他局より早い事例は、深浦町の風合瀬(かそせ)中継局でもあるそうです。

と、書いたところで、調べてみると興味深いことが分かりました。
風合瀬中継局の開局はATV(1972年10月)、NHK(1975年8月)、ABA(1993年7月)、RAB(1997年12月)の順で、
ATVが一番早く、老舗RABは平成新局ABAよりも遅いです。
RABが最後発ということは、当エリアは他中継局でカバーできているように思われます。

では、なぜATVが一番なのかと疑問を感じ、親局を辿っていくと・・・。
ATVが風合瀬中継局を開局させたのは、UHF基幹局の馬ノ神山からの電波を深浦中継局へ送るための中継ポイントとして
必要だったからだと考えられます。
深浦中継局の親局は、NHKとRABは鷹森山(注・受信点は、送信点から1km以上離れています。)、ATVとABAは風合瀬
中継局を3mパラボラで受け、予備に4mパラボラで馬ノ神山も受けていました。
また、風合瀬中継局の親局は、NHKとRABは深浦中継局ですが、ATVとABAは上記の理由から、別の大戸瀬中継局です。
この大戸瀬中継局は、ATVとABAのみの中継局で、親局は馬ノ神山です。(と云うことは、大戸瀬中継局は深浦中継局へ
電波を送る要<かなめ>ですね。)

まとめますと、各社の深浦までのルートは、NHKとRABは鷹森山→深浦(受信点は遠距離)に対して、ATVとABAは、
馬ノ神山→大戸瀬→風合瀬→深浦 の多段中継をしています。

以上のように見てくると深浦地区への伝送は、各社とも苦労していますが、特に馬ノ神山を基幹局とするUHF局は、
ルート設定が大変ですね。(山間<やまあい>を抜けるルートから、後は海岸線を飛び石状に繋いでいます。)

アナログ時代には中継局が極端に少なかったABAでも深浦地区は重要なようで、ATVと共用の設備で番組を送っていました。
デジタルでは、NHKとRABも大戸瀬中継局を開局しています。(ちなみにデジタルの中継ルートは、NHKは大戸瀬と風合瀬に
固定局を設置しTTLで繋いでいます。民放は大戸瀬までは放送波でその先はTTLです。)


大きく横道に逸れてしまいましたが、話題を西十和田中継局に戻します。

さて、撮影時点では、西十和田中継局のアナログ設備が残っていました。しかし、9月に解体されたらしいです。

それでは、アナログ中継局の説明です。

当中継局は、「NHK・RAB」と「ATV・ABA」の2グループに分かれて設置されています。送信アンテナは、どちらも共用の
4L1段3面です。
受信は、NHK−GとRAB共用の8素子八木、NHK−Eは単独の8素子八木、どちらも鷹森山受けです。
ATVとABAは共用の90CRで馬ノ神山受けです。ATVはABA開局時にERPを変更しているようです。

デジタル中継局は、全社共用で隣接地に建設されました。

それでは、アナログ中継局から画像で紹介していきます。


NHK・RAB中継局


中継局の全景です。

 


鉄塔の様子です。

別角度から。

 

送信アンテナを角度を変えて2枚。

 


局舎です。

表札です。


受信アンテナです。

鉄塔の銘板です。
受信アンテナは、手前の大きい方がローバンドのNHK−G&RAB、小さい方がハイバンドのNHK−Eです。
開局時期が違うので、銘板はNHKとRABが別々です。
 

ATV・ABA中継局

続いてアナログATV・ABA共用中継局です。

全景を角度を変えて2枚。

 


鉄塔の様子です。

送信アンテナです。

受信アンテナです。

 


局舎です。

表札 or 看板です。

壁面にロゴがあります。微妙にズレているのは気のせいでしょうか。

全社共用デジタル中継局

最後は、全社共用のデジタル中継局です。アナログ中継局に隣接しています。


全景です。

局舎です。

表札です。見慣れない形式です。

 


送信アンテナです。

下方は受信用パラボラです。

 


GPSです。

ラックの様子を局舎側と鉄塔側から撮影しました。

ここからは、弘前市の弘前タワー様提供の画像です。(デジタル中継局が中心です。)

送信アンテナです。2012年9月撮影  アンテナカバーの文字は2009年11月撮影

 


こちらの画像は、デジタル中継局開局直前作業様子です。2009年10月撮影

 


中継局の入口とNHKの杭です。2012年9月撮影


中継局の北側約5kmのところにある黒森山からの眺めです。 2011年5月撮影

 


中継局付近から見た小泊岬方向です。 2012年9月撮影

 

中継局データ

アナログ NHK総合 NHK教育 RAB ATV ABA
チャンネル 52ch 50ch 54ch 56ch 58ch
出力 各局とも 3W

アナログテレビ放送は2011年7月24日をもって終了しました。


デジタル NHK総合 NHK教育 RAB ATV ABA
チャンネル 20ch 26ch 22ch 18ch 24ch
リモコン
出力 各局とも 0.3W

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